「
弥生賞・G2」(3日、中山)
単勝8番人気の
メイショウテンゲンが、直線で力強く抜け出してうれしい重賞初制覇。
母メイショウベルーガに続く母子重賞Vを決めた。2着に6番人気
シュヴァルツリーゼ、3着に4番人気
ブレイキングドーンが入り、この上位3頭が
皐月賞(4月14日・中山)の優先出走権を獲得した。また、1番人気
ニシノデイジーは4着、2番人気
ラストドラフトが7着に敗れ、3連単は45万円超えの大波乱決着となった。
朝から雨が降り続き重まで悪化した馬場状態が波乱を呼んだ。
メイショウテンゲンは大外枠の8枠10番からスムーズに6番手のポジションにつけてレースの流れに乗った。残り600メートルからスピードアップして直線に入ると、馬場のいい外を通って逃げた
ラストドラフトを並ぶ間もなくかわして先頭へ。池添の左ムチでやや内に寄れかけたが、今度は右ムチですぐに修正。後続に1馬身半差をつけて力強くゴールを駆け抜けた。
単勝8番人気馬の勝利は1966年の
タマシユウホウ以来、実に53年ぶり。単勝払戻金3910円も、このレースの最高金額だ。殊勲の池添は「この雨馬場が味方してくれたのかな。母(
メイショウベルーガ)はこんな馬場が得意でしたが、息子も大丈夫でしたね。前走(
きさらぎ賞5着)は切れ負けした感じだったので、早め早めの競馬をしたのが良かった」と満面の笑み。10年
日経新春杯、
京都大賞典と重賞2勝の母に続く重賞V。母も管理した池添兼師も「最後までよく踏ん張ってくれたね。これでちょっと肩の荷が下りました」と喜びをかみしめた。
初勝利までに4戦を要し、今回が6戦目。決してトントン拍子に出世したわけではなく、レースを使われながら着実に力をつけてきた実戦派だ。「気性のきついところは母親に似ているかな。でも、弱いところがあるし、まだまだこれからの馬」とトレーナーも伸びしろを見込んでいる。池添は
すみれSを制した
サトノルークスに騎乗予定のため本番のパートナーは未定だが、一気に素質が開花した孝行息子が、母が届かなかったG1の勲章を目指して
皐月賞の舞台に臨む。
提供:デイリースポーツ