今月24日に中京競馬場で行われる
高松宮記念(4歳上・GI・芝1200m)では、
ロードカナロア産駒の
ダノンスマッシュに注目が集まりそうです。そこで今週は、
ダノンスマッシュと同じ安田隆行調教師が管理した
ロードカナロアの現役時代を振り返ります。国内外問わずス
プリント路線で華々しい成績を収め、2012年に
JRA賞最優秀短距離馬、2013年には
JRA賞最優秀短距離馬と
年度代表馬との2冠を達成。引退後にはその功績が称えられ昨年には
JRA顕彰馬となり殿堂入りを果たしました。そんな
ロードカナロアがGIに挑戦した過去7戦をピックアップしてお届けします。
■香港国際競争で唯一日本馬が阻まれてきた
香港スプリント 今回は2012年の
香港スプリント。前走の
スプリンターズSで待望のGI初制覇を挙げ、その後早い段階から
香港スプリントへ向け調整が進められてきた
ロードカナロア。
香港スプリントは1999年に創設されて以来、2012年までに10頭以上の日本馬が参戦するも最高着順は5着(2011年の
カレンチャン)と、高い壁に度々阻まれてきたレースとして知られていた。
そんな過去が示すように、
スプリンターズSを完勝した
ロードカナロアでも現地では4番人気にとどまった。1番人気はこの年の
安田記念と
スプリンターズSに参戦した前年の覇者
ラッキーナイン、続く2番人気も香港馬のタイムアフタータイムとなった。
2年連続の参戦となった
カレンチャンがスタートで不利を受けてしまったなか、
ロードカナロアは6番ゲートからスタートを決め、逃げる
セリースチェリーを見ながら3番手での追走。人気の香港馬2頭は中団後ろから競馬を進める。
鞍上の
岩田康誠騎手が手綱をがっしりと持ち、抜群の手ごたえでそのまま直線へ。スムーズに外へ持ち出された
ロードカナロアはそこから懸命に追われ、200mを切ったところで逃げ粘る
セリースチェリーを交わして先頭に。そこから追い詰める馬はおらず、鬼門といわれていた前評判を軽々と覆すように、気が付けば後続に2馬身半差をつける圧勝劇。
勝ちタイムは1:08:50。結局2着にはハイペースで逃げた
セリースチェリーが逃げ粘り、直線で力強い伸び脚を見せたのは
ロードカナロアただ一頭。これまで過去13回中10回を香港勢が制してきた歴史を覆すレースぶりを披露した。
香港の地での岩田騎手の
ガッツポーズは、この馬の強さを幾度となくアピールしているように見えた。もちろんこれが日本馬にとっての
香港スプリント初制覇。香港国際競走としても2005年の
ハットトリック(
香港マイル)以来の優勝となり、記録にも記憶にも鮮明に残る快挙となった。