高松宮記念から一夜明け、優勝馬の
ミスターメロディは自厩舎の馬房でゆったりと過ごしていた。
「午後8時すぎに栗東に戻りました。疲れは少しあると思うけど、大きな外傷もなく無事に帰ってきてくれました」と担当の大當助手。GI勝ちは初めてとのこと。じっくりと喜びを噛みしめていた。
本馬場入場後、愛馬のゲート入れに付き添うためにゲート裏へ移動した。
「(レース前の)ゲート裏で祐一がえらい気合入っているな、と思いました」
その後、レース中はほぼ移動のバスの中だったそうだ。
「直線くらいしかよくわからなかったですね。あとから確認しましたが、すべてがうまくいったなと思いました。枠も良かったし、状況も馬の状態も良かったですね」
最後に写真撮影をお願いしたところ、大當助手は控えめに、自らは写らないように身を引いた。しかし、
ミスターメロディが大當助手を求めるように顔を摺り寄せていたのが印象深かった。そこで大當助手に掲載のお願いをし、この写真を採用することにした。馬と人の信頼関係を垣間見た瞬間でもあった。
(取材・文:花岡貴子)