昨年の
菊花賞馬
フィエールマン(牡4、美浦・
手塚貴久)が、
天皇賞(春)で2つ目のGI制覇を目指して、
クリストフ・ルメール騎手を背にウッドチップコースで最終追い切りを行った。追い切りを終えて、
ルメール騎手と手塚調教師が共同記者会見に臨んだ。
■
ルメール騎手(今朝の
フィエールマンの印象は?)
「良さそうです。すごく良い追い切りをしました。ずっと加速をして、最後はすごく良い脚で頑張ってくれました。彼のコンディションは丁度良いと思います。とても走りたい感じです」
(前走の
AJCC・GII・2着のレースに乗った時と違うところは?)
「
パワーアップしたと思います。前回はすごくいい競馬ができました、精一杯走っていたけど、負けました。激しい戦いでした。休み明けで負けました。
シャケトラはすごく良い馬ですけど、残念ながら今回はもういないです。
AJCCはすごく良い競馬でした」
(前走から間隔があくがそのあたり心配はない?)
「心配ないです。長い距離で勝った
菊花賞では、ゴールまで頑張ってくれました、全然止まらなかったです。だから4歳でまた3200m、行けると思います」
(3200mでこうなったらいいなという理想のレース展開は?)
「まだありませんが、いつもペースが大事ですね。もしスローペースだったら良いポジションを取った方がいいと思います。3200mはとても長い距離ですね。だから最初は
リラックスが必要です。段々ポジションを上げればいいと思います」
(馬場状態は?)
「良馬場か軟らかい馬場でもいいと思います。
フィエールマンの母はヨーロッパの馬でした。だから軟らかい馬場で良い脚を使えると思います」
(ジョッキーにとっては連続GI制覇がかかるが?)
「またGIを勝ちたいですね。ドバイ、
桜花賞、
皐月賞とGIを3週連続で勝ちました。平成最後の天皇賞を是非勝ちたいです」
(
ルメール騎手も平成最後というのは考えますか?)
「はい、考えます。日本で天皇賞はとても特別なレースですね。今年は平成最後の天皇賞だから、ジョッキーはみんな勝ちたいと思います」
(
ルメール騎手にとっては1000勝というのも近づいているが?)
「はい、ちょっと時間かかりましたね。先週と先々週はあまり(勝ち星が)少なかったけど、また自信を持って乗りたいです。ゆっくり1000勝にいくと思います」
(天皇賞と1000勝が一緒にということもある?)
「面白いです。楽しいですね。でも1番大事なのは、大きなレースですね。レースごとに良い競馬をしたいです」
(最後にファンにメッセージを)
「
菊花賞で
フィエールマンは強かったです。今年もGIを勝てると思います。この天皇賞は
フィエールマンの春の1番の目標ですね。みなさん応援してください。よろしくお願いします」
■手塚調教師
(今朝の追い切りの印象は?)
「先週あらかたいいかと思っていましたし、今週は輸送もあるのでそれほど目一杯やらなくてもいいと考えていましたが、思っていた以上に時計が出ました。それだけ状態が良いのだと思います」
(
ルメール騎手とはどんな会話を?)
「彼はパワフルだったと言っていましたし、
菊花賞の時と同じくらいかなという話もしました。その辺の意見は一致していましたし、すごく楽しみにしているような雰囲気でした」
(前走から間があいているが、調整過程は?)
「レースが終わった後はいつも通りノーザン
ファーム天栄に放牧に出して、1か月前に美浦に戻しました。今回は天栄に行ってからも疲労がなくずっと順調に調整ができていました。
美浦に入厩する前に追い切りを1度見に行ったのですけど、その時の動きも素晴らしかったですし、美浦に帰ってからも至極順調に来ていますので、前走の過程よりは数段良いと思っています」
(前走は軽い熱発という一頓挫があったのも影響した?)
「それはミスですし、馬には非常に申し訳なかったと思っています」
(
菊花賞に続く
ビッグタイトルを取れるか、力が入るところだと思うが?)
「そうですね。
菊花賞の時はダークホースといいますか、チャレンジする立場でわりと気楽な雰囲気でレースに臨めたのですが、今回は1つ勲章を持って天皇賞に向かうということで、人気にもなるでしょうし、そういった重圧を跳ねのけてほしいと思っています」
(今週末のレース次第では、秋にはロンシャンへというビジョンもあるようだが?)
「お母さんもフランスで走った馬ですし、そういったところも踏まえてオーナーも考えていらっしゃるのかなとは思います。適性としては十分備えているのではないかなと思っていますし、今回の天皇賞でしっかり結果を出して秋に希望が持てるようなレースになればいいですね」
(展開や馬場については?)
「実際
菊花賞で長距離を経験をしています。距離が未知数だったことは(
菊花賞で)払しょくされましたので、3200mだから不安ということはないです。折り合いはつきやすい方なので、どんな展開でも向くとは思いますけど、できれば良馬場の方がいいとは思っています」
(厩舎開業20年で、この春一気に勝ち星も伸ばしていきたいところ?)
「そうですね。今年は調子が悪いので皆さんに申し訳ないと思っていますけど、厩舎も
アクセルをふかせて頑張っていきたいと思います」
(取材・文:佐々木祥恵)