以前にもお伝えしたように、現在、Cコースのウッドチップ入れ替え工事が行われている。その影響もあって、乗り手からは「馬場が深い」という反応もあるが、これまでのウッドチップが砕けて浅すぎただけ。浅い馬場に雨が降ると余計に走りにくくなるだけに、今くらいの馬場状態が適当ではないだろうか。
気温に関しては、例年のこの時季に比べると随分と調教時間帯は過ごしやすい。湿気も多くないので、なんとか夏負けせずに済んでいる馬も多いのではないだろうか。
【坂路/4F51.9秒】
6月12日。一番時計は4F50.1秒の
ダノンケンリュウ(栗東・
高柳大輔厩舎)。高柳厩舎は先週の水曜日に続き、これで2週連続で一番時計をマークしている。ちなみに4F目の最速ラップは11.9秒で
ブルベアイリーデ(栗東・
杉山晴紀厩舎)だった。
6月13日。一番時計は
ウインヒストリオン(栗東・五十嵐忠男厩舎)の4F50.1秒。追い切り頭数が少ないわりに4F51秒台の頭数もそれなりにいたので、馬場状態としては前日同様に基準時計通りといった印象の馬場だった。
先週の馬場差は「±0.0秒」。坂路のウッドチップ入れ替え工事はもう2ヶ月ほど前になるが、それがだんだんとこなれてきて、時計の出方が安定した印象。よって、今週の馬場差も12日、13日とも『±0.0秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
6月12日。冒頭にも記したように、乗り手は時計が出にくい印象があるようだが、計時しているとさほど時計を要するという印象はない。馬のタイプにもよるが、ある程度馬格があって、
パワーで走ることができるタイプは苦にしていないし、むしろ
キセキ(栗東・角居勝彦厩舎)のように力強く走れるタイプなら、きっちり速い時計も出る。
6月13日。この日は翌週以降の新馬戦に向けて、POGでも話題になっている馬が多数追い切りを行っている。その中で取り上げたのは、6月29日(土)の中京芝1600mでデビュー予定の
ラインベック(栗東・
友道康夫厩舎)。
シュヴァルグランが大きく先行して、それを本馬と
マイラプソディが追いかける形だったが、距離もあったので、向正面では追いつかないかなという位置。しかし、前がラップを速めなかったこともあり、4コーナーでは前に追いつく感じで、最後の直線は3頭併せ。その真ん中に位置していたが、一度はグンと前へ出て、それから
マイラプソディが内から迫ってきて、ほぼ同入でゴール。
ほぼ、初めての追い切りでここまで動けるのだから、やっぱりセンスがある。時計は6F83.3〜5F68.0〜4F52.6〜3F37.2〜1F11.9秒と、こちらも水準以上。来週以降、どんな動きを見せてくれるのか、注目の良血馬だけに楽しみしかない。
ウッドチップの入れ替えにより、少しずつ基準時計に近い状況に戻ってきている。先週の馬場差は「-0.5秒」だったが、今週はそれよりもさらに基準時計に近いので、今週の馬場差は12日、13日とも『-0.3秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は追い切りを確認できていない。見た目には先週とあまり変わっておらず、今週の馬場差は12日、13日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場での追い切り頭数は先週同様に少ない。速い時計をマークしている馬が少ないが、時計の出方はほぼ基準通りで先週と同じ。よって、馬場差に関しては、12日、13日とも『±0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)