大規模改修工事の一環で6月末からウッドチップコースが閉鎖になっている美浦トレセン。ウッドをメイン調教に使っていた馬は、再開予定の9月まで、坂路やポリトラックでの代替調教を余儀なくされている。
そんな中、ウワサされていたのが「ウッド目当てに栗東トレセンに滞在する馬が増えるのではないか」というもの。実際、先週水曜の段階では5頭の関東馬が栗東に滞在していた。
中京記念に出走する
プリモシーンもその一頭だ。
「美浦のウッドが使えないからこっちに来た?その部分は確かに大きいですね。この馬はウッ
ドメインで追い切りをしてきたんで。それに環境の変化に強くないので、そのあたりも含め、いろんな意味でチャレンジする感じの滞在ですね」とは担当の楠助手。
初めて栗東ウッドで行った1週前追い切りでは、美浦とのコースのつくりの違いの影響で「向正面に入るところと4角でリキんでしまった」(楠助手)が、なんとか我慢させ、しっかり行うことができたとか。
そしてもう一頭、
中京記念に出走する栗東滞在の関東馬が
ロードクエスト。もっとも、こちらは
プリモシーンとは滞在理由が微妙に違って、ウッド閉鎖うんぬん以前に、もともと関西遠征時にはよく栗東に滞在してきた“常連”だ。
「3歳時(
マイルCS9着)からこっちには来ていましたからね。ウッドで乗れるという意味もありますけど、それとは関係なく、いつも来ているといえば来ているので(笑い)」(埜口キュウ務員)
ともに栗東に滞在することで、普段美浦で行っているウッド調教を続行できる立場にある両馬。ただ、初めての滞在で環境の変化にも強くはない
プリモシーンよりも、以前から栗東に“溶け込んでいる”
ロードクエストのほうがプラス材料は多いような気がする。
埜口キュウ務員によれば、1週前の調教にはM・デムーロのほうから「乗りたい」と志願してきたとか。前日の夜に大井の
ジャパンダートダービーに騎乗(
ロードグラディオ10着)していたにもかかわらずだ。
その熱意、そして一昨年まで18年連続して1番人気が勝てなかった
中京記念の“性質”も考えれば、滞在2頭のうちチョイスすべきは
ロードクエストという気がしている。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ