今週から札幌、新潟、小倉開催がスタート。小倉の新馬戦は距離のレパートリーが新潟に比べると少ないため、1400mや1600mに適性の高そうな馬は例年のようにそちらの番組を求めて遠征することになりそう。
ただ、ダートに関しては8月10日に1700mが新設された。これにより、ダート中距離番組が増えて、除外の可能性も低くなったはず。すでにこの番組を目標に調整している馬もおり、どんなレースになるか今から楽しみ。
【7月27日(土) 小倉芝1200m】
◆
メイショウベンガル(牡、
父クロフネ、
母キンショーオトヒメ、栗東・松永昌博厩舎)
母系には芝で5勝を挙げた
アンクルスーパー(
父デインヒル)などがいる血統だが、近年は目立った活躍馬が出ていない。ただ、
クロフネ産駒は2005年
朝日杯FSを制した
フサイチリシャールがいれば、今年の
京都金杯を勝った
パクスアメリカーナと長きに渡って重賞ウイナーを出し続けている。
本馬は坂路では週を追うごとに時計を詰めており、7月17日の芝馬場では
ラインマーチンとの併せ馬で馬なり同入。馬場状態が悪い中、5F64.6秒という時計はなかなかの数字だった。鞍上は
武豊騎手が予定されている。
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カイルアコナ(牝、父
キンシャサノキセキ、
母コナブリュワーズ、栗東・
高橋義忠厩舎)
祖
母アンブロワーズ(
父フレンチデピュティ)は
函館2歳Sを制して、阪神JFでは2着という早い時期から結果を出している。おじには芝で4勝を挙げている
ロシュフォール(
父キングカメハメハ)がいるので、堅実に結果を残す馬が多い血統でもある。
本馬はゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出されて、再度の栗東入厩。7月18日にレースでも騎乗予定の
川田将雅騎手が跨って、坂路での併せ馬を行っているが、3歳未勝利馬を追いかけて楽に先着。ラスト1Fは12.1秒という伸びを見せている。デビューはこの距離になるが、追い切りの動きを見ていると、今後距離を延ばしても十分に対応できそうな落ち着いた走りという印象がある。
【7月28日(日) 札幌芝1800m】
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マルタクロス(牡、父
ロードカナロア、
母ショウナンタレント、栗東・
松永幹夫厩舎)
2017年セレクトセール当歳にて、2000万円で落札された
ロードカナロア産駒。母系には2008年
共同通信杯を勝った
ショウナンアルバ(
父ウォーエンブレム)がいる血統。
本馬は栗東でゲート試験に合格して、その後は坂路で時計を出してから札幌へ移動。札幌ダートでは格上相手の併せ馬だったこともあり、動きが見劣ってしまったが「おっとりした気性なので、加速するまでに時間が掛かるタイプ。そういった意味では新馬向きではないかも知れませんが、スピードに乗るといい動きを見せる馬だけに楽しみです」と
松永幹夫調教師。鞍上は
横山和生騎手が予定されている。
【7月28日(日) 札幌ダート1700m】
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セラン(牝、父
Uncle Mo、
母Tiz Miz Sue、栗東・
松永幹夫厩舎)
日本で活躍する
Uncle Mo産駒にはダートで4勝を挙げた
ハリケーンバローズや現3歳で京都ダート1800mに新馬戦を勝ち、6月の1勝クラスも勝ち上がった
アヴァンセなどダートで結果を出している。
本馬は5月にゲート試験を合格しているが、当初からこの番組を視野に入れて調整されてきた。栗東でも十分すぎるくらい入念に乗り込まれているが、レースで騎乗予定の
武豊騎手は6月26日の坂路で試乗。4F54.7秒を馬なりでマークしており、1ヶ月前の段階ですでに動ける態勢は整っている。7月17日の札幌ダートでの追い切りでは遅れたようだが、中身が出来ているだけに心配はない。
(取材・文:井内利彰)