ディープインパクトが亡くなった朝、しかもちょうど亡くなったとされるタイミングに私は栗東の
西村真幸厩舎でディープの仔の取材をしていました
その名は
シリアスフール。父は
ディープインパクト、母は
シリアスアティテュード。母はデビューから3戦目でイギリスの2歳牝馬のGI・チェヴァリーパークS(ニューマーケット競馬場、芝1200m)を土つかずで勝っているほか、古馬になってからカナダへ遠征してニ
アークティックスS(GI・ウッドバイン競馬場・芝1200m)を優勝しています。半兄は今年の
小倉大賞典を制した
スティッフェリオです。
ディープインパクトの新馬は貴重なので、厩舎に迎え入れるだけでもかなり大変なこと。開業5年目の西村師も
ディープインパクトの新馬は預かった経験のないひとりでした。
「今年は種付け頭数を絞っていたし、その頭数を考えたら自分が調教師人生で
ディープインパクトの新馬を預かることはないだろうと思っていたんです。でも、幸い
シリアスフールを預けて頂くことになった。とても嬉しいです」(西村師)
シリアスフールの様子を見に行くと、すごく上品な佇まい。さすが良家のおぼっちゃまという感じで素直で可愛らしい。まさにディープを彷彿させる品の良さでした。
そして、調教ではいい勝負根性をみせます。
「併せ馬で負けたことがない。真面目な性格です」
このタイミングでディープの仔というだけで気持ちが入ってしまうのは私だけではないはず。期待していますよ!
(取材・文:花岡貴子)