通算勝利数でも70勝に到達し、自身最長となる5週連続勝利を記録した藤田菜七子騎手。彼女と親交のある岩手競馬の元騎手・鈴木麻優さんは好調の要因を、男性騎手にヒケを取らないメンタル面の強さにあると指摘する。
「やはり結果を残すことで、自分にも自信を持つようになって、それが勝負の世界でいい方向に出ているように感じます。あまり表に出すほうではありませんが、芯の強さも持っています。ほとんど休みがないなかでしっかりトレーニングも積んでいて、とにかく自分に厳しく、ストイックです。それが、ここまでの活躍を見せてくれている大きな要因だと思います」
データ上からも、ダートの短距離戦では好成績を残しているのは明らかだが、数多く見てきたレースのなかでも、とくに4月に大井で行われた
東京スプリントでは巧さが光ったという。
「大井のス
プリント戦は流れが忙しくて難しいはずなんですが、『出遅れながら、あのドロドロの馬場をよく後ろからさばいてこられたな~』と感心してしまいました」
今週末、彼女と
コパノキッキングが挑む
クラスターCの舞台は
盛岡競馬場の1200m。同じ距離でも、大井とはまた違った難しさが存在するのも事実だ。
「
盛岡競馬場は、中山競馬場と同じように最後に坂が待ち受けていますので、
パワーが要求されます。確かに先行有利で直線も大井より短いですが、坂があるぶん、前がタレることの多い盛岡では末脚が生きると思いますし、
コパノキッキングには向いています。広いし、外差しが決まりやすいコースですので、(
コパノキッキングが)間に合わないことはないと思います」
そして、最後には「いつも通りの戦法で問題ないと思います」と力強く断言。
「今の菜七子ちゃんは勢いがありますし、盛岡でも結果を残しています。個人的には、今までのなかで
コパノキッキングが一番競馬しやすい競馬場ではないかと思っていますし、初の重賞制覇を期待しています!」
と、エールを送ってくれた。それに応えて、みちのくの地で待望の“女性騎手による初の重賞制覇”は達成されるのか。ゲートインは12日(月)16時50分だ。