今年のGIII
北九州記念(18日=小倉芝1200メートル)は何やら例年とは様相が違う。そんな話が関係者から多く出ていた。何が違うって、メンバーが例年より明らかに強いのだ。
カラクレナイを出走させる松下調教師いわく「
セントウルSみたいなレースになりそうじゃないですか」
そのメンツの厚みは、小倉開幕週の3勝クラス・
佐世保Sを鮮烈な追い込みで制した
エイシンデネブが、現時点で除外候補になっていることからも明らかだろう。前走後は当レースを目指し、小倉滞在で調整してきた同馬および、その関係者にとっては気の毒というほかないが…。
なぜ突然、メンバーが“濃くなった”のか?もちろん、集結してきた強豪それぞれに理由がある。例えば
モズスーパーフレアに関して言えば、十分なレース間隔を確保するためだ。
「これまで間隔を詰めて使って好走したことがほとんどないんです。いつも全力で走り切ってしまうから、疲れが残ってしまうんでしょうね」とは担当の竹中助手。
過去に中1週で臨んだ3競走はすべて連逸(小倉2歳S=1番人気7着、
ファルコンS=9番人気5着、オ
パールS=1番人気3着)。中2週だった今年の
高松宮記念(2番人気15着)でさえ、「硬さが出て疲れが残っていた」という。
だからこそ、秋の目標であるGI
スプリンターズS(9月29日=中山芝外1200メートル)まで中2週となるGII
セントウルS(9月8日=阪神芝内1200メートル)ではなく、たっぷりと間隔が取れる
北九州記念をチョイスしたのだ。
「今回はこれまで以上にいい状態で放牧先から戻ってきました。以前は
バランスがもうひとつだったんですが、今は気にならなくなったし、キ甲も抜けてきました。完成期なのかもしれません」(竹中助手)
超
ハイラップが刻まれることが多く、逃げ馬には相性が悪い
北九州記念。だが、この
モズスーパーフレアには前半3ハロン32秒3で逃げても、急坂のある中山の重賞(オーシャンS)を押し切れるだけの底力がある。
「あの時のルメールもあまりのスピードにびっくりしていましたけど、その前のカーバンクルSも、スタートでつまずきながら出て、あのスピード(前半3ハロン32秒8)でしたからね。(武)ユタカさんも“速いね”って。ほかの馬も競りかけに行ったら(自身が)潰れるのは分かっているでしょうし、自分の競馬をすれば、と思っています」
1200メートル施行になって14回目にして初の逃げ切り…今年の
北九州記念はそんなレースになりそうな気がする。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ