ブラックスピネルが気合をつけられハナに立った。速いスタートを切った
クラウンディバイダが2番手、
クリンチャー、
センテリュオ、
ミルコ・デムーロの
ジナンボーらがつづく。
ジナンボーは引っ張り切れないほどの手応えで、先頭から5馬身ほどのところにつけている。
1番人気の
レイエンダはその1馬身半ほど後ろ。さらに2馬身ほど後ろに
岩田康誠が乗る2番人気の
ユーキャンスマイルがいる。
「久しぶりの2000mでしたが、馬自身、力をつけていて、追走も楽でした」と岩田。
長い向正面を抜け、1000m通過は58秒6。
前にも後ろにもチャンスがある平均ペースになった。
先頭から最後方の
カデナまでは10馬身ほどか。
ブラックスピネルが馬群を引っ張って3、4コーナーを回り、直線へ。
内埒を走る
クラウンディバイダを除き、馬群は馬場のいい外へと寄っていく。
ラスト300m地点でも、馬場の真ん中を走る
ブラックスピネルが先頭だ。
しかし、ラスト200m地点で、
ユーキャンスマイルが
ブラックスピネルに内から並びかけ、かわしにかかる。
「リズムよく運べました。4コーナーでインから外に行き、楽な競馬でした」
そう振り返る岩田の左ステッキを受け、末脚を伸ばす。
外から
ジナンボーが猛然と追い上げ、馬体を並べかけたが、クビ差まで詰め寄るのが精一杯だった。
勝ったのは
ユーキャンスマイル。今年2月の
ダイヤモンドステークス以来となる重賞2勝目をマークした。
勝ちタイムは1分57秒5。後半1000mが58秒9だから、ほぼイーブンペースだった。
3着は、道中最後方につけていた
カデナ。半馬身差の4着は、逃げた
ブラックスピネルだった。
ユーキャンスマイルは、4コーナーまでは後方の内にいながら、直線で前の馬たちが外に出して行く動きを利用するように自身も外に出た。経済コースを通りながら、なおかつ馬場のいいところへと誘導した岩田の好騎乗だった。
(文:島田明宏)