オールカマー(GII)9着から巻き返しをはかる
ウインブライト(牡5・美浦・
畠山吉宏)が、ウッドチップコースで3頭併せの最終追い切りを消化。追い切り後、畠山調教師と
松岡正海騎手の共同記者会見が行われた。
■畠山調教師
(今日の追い切りについて)
「まだ良い時と比べると終いの動きがもうひとつ重苦しい感じなのですけれど、このひと追いで変わってくれればなという思いがあります」
(追い切りのテーマは?)
「ジョッキーと相談して、自厩舎の馬を追いかけて終いまでキッチリ追って負荷をかけるという形でやりました。イメージ的には抜き切ってというところだったのですが、最後やっと並びかけたという感じでしたし、まだそこまではいかなかったというのが現状ですね」
(その抜き切れなかったあたりを、日曜日までにどのように調整していく?)
「時間的にあと何をするという部分はないですし、追い切り後のケアをしっかりして、今日の追い切りがレースに繋がってくれればという思いでおります」
(
オールカマー(GII・9着)を振り返って)
「ご迷惑をかけるような形になってしまって本当に申し訳ないのですが、結果が示す通りに夏帰厩してからの調整がうまくできなかったということだと思います。脚元など何が悪いということではなく、休んだ分、心肺機能や筋力がまだ戻ってきていないというのがあの結果だと思います」
(それからの調整は順調に?)
「大きな反動などはなかったですし、調教も休むことなく、負荷もそれなりにかけてはやってきているのですけどね。ただ今日の動き、先週の動きを見て頂いた通りだと思うのですけど、春先の良い時の迫力ある動きにはまだ戻っていないというのが現状ですね」
(その中で豪華なメンバーが揃ったが、どのように戦いを挑んでいく?)
「この馬は自在性はあるので、流れに応じたポジションで競馬をしていけば良いと思っております。まだこの先にも目標がありますから、これだけのメンバーの中で今回どういうレースをしてくれるか、じっくり見ていきたいと思います」
(松岡ジョッキーと具体的な話は?)
「レースの作戦については枠順が出てからになりますので、これといってまだ話はしていません」
(豪華メンバーとレースをすることについては?)
「春先の状態に戻れば決してヒケは取らないと思っているのですけど、前走の
オールカマーが示すようにまだそこまでの体調になっていませんし、戦っていないメンバーがほとんどなので、そういう中でどんなレースをしてくれるか、まずはじっくり見ていきたいと思います」
(最後にファンにメッセージを)
「まだ良化途上かもしれないのですが、今週のひと追いで変わってくれればと思っておりますので、応援のほどよろしくお願い致します」
■松岡騎手
(今日の追い切りについて)
「先週やってもう少し良くなっているかなと思ったのですけど、前走後の良化度がスローという感じもしましたので、しっかりとやりました」
(3頭併せの大外で、何かテーマはあった?)
「ウッドチップコースが改修されて、負荷のかかり具合がつかめないところがありました。GIに向かっていく中で少し負荷が足りないのが納得いかなかったので、(3頭併せの)外に行きました」
(負荷はしっかりかけられた?)
「そうですね、1週前もスタンド前から長めをやっています。そのわりに良くなってきていないというのは少しありますけど」
(どのあたりが良くなっていない部分?)
「馬自体の成熟度は春よりもありまして、乗っていていいなとは思うのですけど、追い切りになると動けないところがありますね。競馬や攻め馬を積むにつれて、攻め馬では4コーナーから直線で手応えが良くなってくるのですけど、今回はそのように上がってくるのが遅いと思いますね」
(レースまでに改善点を考えている?)
「やるべき追い切りはしてきましたので、あとは馬が良くなってくるのを待つだけですね」
(前走の
オールカマーを振り返って)
「今回夏に放牧に出て牧場の方で乗らないで持ってきて、トレセンで乗り込んでという感じでした。夏は暑くて乗り込みも進まなかったようなところもありまして、9着という結果にはなりましたけど、馬は良くなっているなという感じはしています」
(このままでは終われないという気持ちがある?)
「僕とこの馬はずっとコンビを組んできて、新馬(6着)は期待していましたけど負けましたし、去年の夏は順調さを欠いて富士S(GIII・10着)、
マイルCS(GI・9着)と結果を出せなかった時期もありました。順風満帆な競走人生ではないので、負けることはそんなに恐れていないですし、前回の結果でガッカリするという暇もなく、更に挑戦を続けていくということだけだと思います」
(19戦中18戦に松岡騎手が騎乗していて、この馬への思い入れはとても強いと思うが?)
「一緒にGIを勝ちたいと思ってずっとやってきましたし、春はそれを達成できてすごく嬉しかったというのもありますけど、秋は負けてしまったのでまた一緒に戦っていこうかなという気持ちで乗ります」
(この馬の良さは?)
「レースに向かっていく姿勢ですね。それがあるので、僕が今まで経験してきたことを教えてきましたが、それを学習する能力もありますし、それが競馬のうまさに繋がっていると思います。折り合い面でも不安がないですし、競馬もどこからでもいけます。ジョッキーに勇気を与えてくれる馬になったと思います」
(超豪華メンバーだが、意識する馬は?)
「僕は小学校3年生から競馬を見ているのですが、今回が1番強いのではないかというメンバーなので、そこに乗れるだけで光栄ですし、どれが相手というよりも能力はありますので、自分の競馬に徹して頑張ろうと思います」
(勝つための作戦は?)
「非常にタフなレースになると思うので、作戦というよりはロスのないきれいな競馬を心がけたいと思います」
(最後にファンにメッセージを)
「前走は期待を裏切ってしまって大変申し訳ない気持ちではあるのですけど、ずっとコンビを組んできてGIも勝てましたし、この秋もGIを勝ちたいと思ってずっとやっています。相手はすごく強いですし、負ける恐怖もあるのですけど、一緒にブライトと頑張ってきて挑戦しないということも恐怖なので、一緒に勇気を振り絞って頑張りたいと思います」
(取材・文:佐々木祥恵)