中央から参戦の4頭はいずれも1勝馬。ならば経験豊富な地元勢優位かと考えたが、勝ったのは、中央の
キメラヴェリテだった。
小倉ダート1700m戦を逃げ切っていた
キメラヴェリテには、同じようにマイペースの逃げに持ち込めるかどうか。果たして、内目の枠もあって首尾よく単騎先頭が叶った。
縦長の展開となって1000m通過は63秒3。前走2歳1勝クラスでも逃げたものの、1400mという距離もあって後続に突かれ息が入るところがない厳しい流れとなって差のある3着だったが、今回は1800mという距離もあってマイペースの逃げ。2番手につけていた
アベニンドリームが3コーナー過ぎで並びかけてきたものの、
キメラヴェリテにとっては無理のない逃げに持ち込めただけに、相手が来るぶんだけ前に出ればいい。残り100mあたりで振り切っての逃げ切りとなった。
近年の門別の馬場は、開催ごと、極端な場合は日ごとにコース特性が変わるだけに単純なタイムはできないものの、勝ちタイムの1分56秒2は、このレースの過去10年でもっとも遅いタイム。
今年の北海道2歳戦線は、レースごとに勝ち馬が変わる上位拮抗の混戦。牝馬ではフルールCを勝っていた
コーラルツッキーが
エーデルワイス賞を勝ち、牡馬では
ヘイセイメジャーが1200m路線で
イノセントCからサッポロクラシックCを連勝し、終盤になってようやく重賞2勝馬が現れたが、確たる主役は不在という状況。中央勢では3戦目で初勝利を挙げていた
ピオノノが3着に入ったように、地元勢の世代レベルがあまり高くなかったことにも恵まれた。
2番手を追走してそのまま粘り込んだのが、川崎・
鎌倉記念(2着)遠征から中8日で臨んだ
アベニンドリーム。前日、船橋の
平和賞に管理馬を出走させていた
角川秀樹調教師にたまたま話を聞く機会があり、
アベニンドリーム連闘の理由を聞いたところ、川崎遠征から戻っても馬体重が増えていたこと、その2日後の追い切りで思った以上に調子がよかったことを挙げていた。デビュー以来1200m戦を使われ、
JRA認定ではない未勝利戦を勝ったのみだったが、2勝目を挙げたウィナーズチャレンジが初めての1700m戦だったように、距離延長で能力を発揮したということもあっただろう。
前2頭が行ったままという決着だったが、縦長の中団を追走していた
ピオノノがメンバー中上り最速の39秒2で
アベニンドリームに迫ってハナ差3着。ゴール前での伸びも目立ったが、ラチ沿いを回ってきて4コーナーでも最内を突いて位置取りを上げた岩田騎手の立ち回りが功を奏した。
人気上位馬の中では、
ブリーダーズゴールドジュニアC、サン
ライズCともに2着だった
アジュバントが最後は39秒台の脚を使って伸びたが4着まで。前走ウィナーズチャレンジで出遅れながらも直線一気で圧巻のレースを見せていた
タイセイサクセサー、中央の芝で好走した
ヨハネスボーイは、ともに中団を追走したまま、それぞれ7、8着と見せ場をつくれなかった。