新馬戦の話ではないが、昨年の同時期に行われた5回京都3日目の2歳未勝利(芝1800m)の上位馬がみなオープンを勝っている。勝ち馬は
ロードマイウェイ(栗東・
杉山晴紀厩舎)。クラシック路線には乗ることができなかったが、先日
ポートアイランドSを勝ち、現在4連勝中だ。
2着
メイショウテンゲンは3歳になって
弥生賞、3着
ノーワンも同じく3歳になってフィリーズRと重賞制覇。G1ホースを3頭も生んだ、2008年4回京都6日目芝1800mが「伝説の新馬戦」と言われたりするが、この舞台は重賞ウイナーを生みやすい条件なのかも知れない。
【11月9日(土) 東京芝1400m】
◆
ユアソーラ(牡、父
キンシャサノキセキ、
母ヴィリエルバクル、栗東・安田隆行厩舎)
母系には芝で4勝を挙げている
ラルムドランジュ(
父Dansili)がいる血統で、2017年セレクトセール当歳にて、4000万円で落札された
キンシャサノキセキ産駒。本来なら函館デビューというプランのあった馬だが、ここまでいろいろとあって、デビューが遅れてしまった。
今回の栗東入厩では順調に進んでおり、坂路での追い切り時計も週ごとに速くなってきている。ただ、厩舎としても期待の大きな馬だけに「もう少し動いてくれれば」と安田隆行調教師の評価も少し辛めとなっている。ただ、
C.ルメール騎手を配するあたりは期待が大きいからこそ。最終追い切りの時計ももう少し詰まってくるだろうし、あとは実戦でどんな走りを見せてくれるかだろう。
【11月10日(日) 京都芝1400m(牝)】
◆
フレジエ(牝、父
ハービンジャー、
母ヒカルアマランサス、栗東・
安田翔伍厩舎)
母は2010年
京都牝馬Sを制しており、その仔は芝で4勝を挙げた
ギモーヴ(父
ハービンジャー)を筆頭に、結果を残している。父
ワークフォースの
スイートセントも芝で2勝を挙げていることを思えば、母が現役時代に武器としていたスピードをしっかり伝えることができているのかも知れない。
本馬は栗東へ入厩してから、坂路を中心に追い切られており、1週前追い切りがCW。
斎藤新騎手(レースは
O.マーフィー騎手)が跨って、1勝クラスを追いかける動きだったが、最後はきっちり追いつき、時計は6F82.5秒と水準以上の数字をマークしている。坂路での併せ馬のパートナーだった
クラヴェルは先週デビュー勝ち。それに続きたいところだろう。
【11月10日(日) 京都芝1800m】
◆
ラボンダンス(牝、父
タートルボウル、
母トラディション、栗東・
橋口慎介厩舎)
おじに
ジャパンカップダートを連覇し、
フェブラリーSも制した
トランセンド(
父ワイルドラッシュ)がいる血統。父
タートルボウルの産駒は先週の
京王杯2歳Sで
タイセイビジョンが勝利している。
本馬は10月30日にCWで
松山弘平騎手が跨って、3頭併せを行っているが、6F83.3秒でゴール前の脚色は見劣ったが、3頭の真ん中でプレッシャーを受ける状況。それを思えばよく動いているし、10月23日のCWでは6F81.1秒と速い時計をマークしており、先行する形なら動けている。ここまでの乗り込みも入念だし、いろんな状況での併せ馬もこなしているので、実戦での走りが楽しみ。
◆
エレヴァテッツァ(牝、
父ディープインパクト、
母スキッフル、栗東・
松永幹夫厩舎)
半兄
フラガラッハ(
父デュランダル)は同厩舎で管理され、
中京記念を連覇。それ以外にも芝で4勝を挙げた半姉
イリュミナンス(
父マンハッタンカフェ)や芝で5勝を挙げた半姉
エスティタート(父
ドリームジャーニー)など、重賞でも活躍した馬が多数いる。
松永幹夫調教師は「この血統はデビュー前の追い切りではあまり動いていないという印象」と話すが、本馬は10月23日のCWで6F81.2秒をマーク。体重の軽い見習い騎手が跨っていたとはいえ、この数字が出れば、水準以上の動きと評してよいだろう。
(取材・文:井内利彰)