道中、それぞれ進んだ位置は違っても、人気を集めた2頭、
チュウワウィザードと
オメガパフュームは、2000mもの距離を走ってほとんど同時にゴールするのだから、馬の能力というのは素晴らしい。
久々に
的場文男騎手に戻った
シュテルングランツが単騎で逃げるのだろうと思って見ていたが、スタートダッシュがあまりよくなかった。前走同様抜群のダッシュを見せたのが、外枠に入った
ワークアンドラブ。
笹川翼騎手は
シュテルングランツの様子をうかがいながら、行けそうと判断してハナを取りきった。
前半1000m通過が62秒9で、後半が63秒2だから、レース全体ではまったくの平均ペース。しかし前半そのペースをつくった
ワークアンドラブは、後半64秒8とかかって走破タイムが2分7秒7だから、自身のつくったペースはやや速かった。ただ能力上位の馬を負かそうと思えばそれは仕方ない。
一方で、縦長の4番手を追走した
チュウワウィザード、2コーナーを回るまで9番手だった
オメガパフュームにはかなり楽なペース。それゆえ直線は2頭による瞬発力勝負。写真判定は目盛1つほどの差で
チュウワウィザードが先着していた。
地方の小回りコースの経験がなかった
オメガパフュームはさまざまに不安が言われたが、交流重賞はメンバーの力差があるため、特に長めの距離になると馬群が密集することがない。それゆえ、負けはしたものの、慣れていない小回りでも無難にレースを運んで能力を発揮することができた。
地方最先着の3着に入った
センチュリオンは、向正面中間からペースが上がっても
チュウワウィザードにぴたりとついていって、あわやと思わせた。しかし直線では振り切られて4馬身差。2強以外の中央馬に先着したということでは、中央時代に重賞(
マーチS)勝ちがある実力を示した。
ゴールドドリーム、
ルヴァンスレーヴ、
クリソベリルら、この路線のトップクラスが抜けたメンバーで争われたが、一騎打ちとなった
チュウワウィザード、
オメガパフュームは、この先の
チャンピオンズC、
東京大賞典で、あらためて頂点を争うであろう能力を見せた。