冬の中山・阪神・中京開催が始まる。寒さがいよいよ厳しくなってくるが、2歳馬たちの熱い戦いは新馬戦だけにとどまらない。
葉牡丹賞、
ひいらぎ賞、
ホープフルS(中山)、
エリカ賞、阪神JF、
朝日杯FS(阪神)、こうやまき賞、寒椿賞(中京)など来春の大舞台への登竜門となるレースが多く設定されている。
希望溢れる未来に向かって12月にデビューする若駒たちからまだまだ目を離せない。
【12月1日(日) 中山芝2000m】
◆
アバグネイル(牡、
父スクリーンヒーロー、
母スナッチド、美浦・
手塚貴久厩舎)
異父姉の
スナッチマインドは通算5勝、
京都牝馬S3着と活躍した。伯父の
Cuveeは米G1・フューチュリティSの勝ち馬。甥に
ラウダシオン(現3戦2勝、小倉2歳S3着)がいる。ゲート試験に合格後はノーザン
ファーム天栄で成長を促し、11月上旬に帰厩した。「以前は線の細さがあったけど、いい感じに成長しているし、追い切りも格上の相手と併せて水準以上の時計で動けている。ビュッと切れる感じではないけど、長く脚を使えそう。調教通りなら初戦から楽しみ」と
手塚貴久調教師。鞍上はW・ビュイック騎手を予定している。
◆
エクスプレッサー(牡、
父スクリーンヒーロー、
母ジャッキーテースト、美浦・
堀宣行厩舎)
カーネギー産駒の母は
JRA4勝、地方1勝。兄姉は
グレイスフラワー(通算5勝)、
アロマドゥルセ(現3勝)などが堅実に勝ち上がっている。伯母の
マックスジーンは北米で芝の重賞を6勝、G1でも2着3回と活躍した他、1998年の
ジャパンCで5着に健闘した。ゲート試験に合格後はノーザン
ファームしがらきで乗り込み、10月下旬に帰厩。中間には
チャンピオンズCに出走予定の
サトノティターンと併せるなど順調に追い切りをこなしている。「まだ心身ともに成長途上の段階にあるけど、追い切りの動きからも能力は高そう。晩生の血統だけど、いいモノを持っていると思います」と森調教助手。鞍上は
石橋脩騎手を予定している。
◆
カンバラ(牝、父
オルフェーヴル、
母カトゥーンバ、美浦・
黒岩陽一厩舎)
3代母が米G1・2勝の
Life At the Top。一族からは
Cutlass Bay(ガネー賞)、
Grace Hall(スピナウェイS)などが出ている。そこまで目立つ時計こそ出していないが、ゲート試験に合格後はウッドチップコースで順調に追い切りの本数を重ねてきた。「しっかりと乗り込んできたし、いい感じに仕上がっています。切れるタイプではないけど、持久力がありそう。長めの距離が合うと思います」と
黒岩陽一調教師。鞍上は柴山雄一騎手を予定している。
【12月1日(日) 中京芝1400m】
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オルテール(牡、父Snitzel、
母Politeness、美浦・
堀宣行厩舎)
母は豪8勝、G1・
マイアークラシックなど重賞5勝の活躍馬。当初は前週のデビューを予定していたが、今週にスライドしてきた。「南半球産で遅生まれになるけど、体質的な弱さなどはない。調教でも素軽い動きをしているし、この父の産駒らしい筋肉質の好馬体でスピードタイプ。素質の高さを感じます」と森調教助手。鞍上は
M.デムーロ騎手を予定している。
(取材・文:竹之内元)