出走馬16頭がほぼ横並びのスタートを切った。
ビアンフェが内枠を生かしてハナに立った。
ペールエール、
トリプルエースという2枠2頭、15番の
メイショウチタンも積極的に前に行く。その間から、ライアン・ムーアに促された1番人気の
サリオスが出てきて好位につけた。
ゲートからの1ハロンほどで
ビアンフェが抜け出し、単騎逃げの形に持ち込んだ。
メイショウチタンが2番手、
サリオスは先頭から3馬身ほど離れた3番手につけている。
他の有力どころを見ると、
武豊が乗る2番人気の
タイセイビジョンは先頭から8馬身ほど離れた後方。その内に3番人気の
レッドベルジュールがいる。
前半800m通過は45秒4。先週の阪神JFよりコンマ1秒速かった。
先頭から最後尾まで12、3馬身と、やや縦長になっている。
ビアンフェが先頭のまま直線へ。
ラスト400mを切ったところでムーアのステッキを受けた
サリオスが、内外馬体を離したまま
ビアンフェをかわしにかかる。
馬場の真ん中から
タイセイビジョン、さらに外から
タガノビューティーが伸びてくる。
ラスト200m手前では、一瞬、
タイセイビジョンが突き抜けるかに見えた。しかし、
タイセイビジョンに迫られると、
サリオスはそれ以上の伸びを見せ、じわじわと差をひろげていく。
大きなス
トライドを伸ばす
サリオスが、2着を2馬身半突き放してフィニッシュ。勝ちタイムは1分33秒0。先週の阪神JFにコンマ3秒及ばなかったが、それでも立派なレースレコードだ。
「いい馬に乗ることができて光栄です。コーナーで幼さを見せながらこのタイムですから、もっと速くなると思います。体もしっかりしているし、将来が楽しみです」とムーア。
2着は
タイセイビジョン。武にとって朝日杯5度目の2着となった。3着は、これも後方から一気に追い込んできた
グランレイ。4着の
タガノビューティーを含め、
サリオス以外は後方に控えた馬が上位に来た。
速い流れのなかで先行し、そして突き放すという、とてつもなく強い内容で、
サリオスが2歳王者の座を引き寄せた。
(文:島田明宏)