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【勝負の分かれ目 朝日杯FS】速い流れのなか、先行して突き放したサリオスのとてつもない強さ

  • 2019年12月15日(日) 18時00分
 出走馬16頭がほぼ横並びのスタートを切った。

 ビアンフェが内枠を生かしてハナに立った。ペールエールトリプルエースという2枠2頭、15番のメイショウチタンも積極的に前に行く。その間から、ライアン・ムーアに促された1番人気のサリオスが出てきて好位につけた。

 ゲートからの1ハロンほどでビアンフェが抜け出し、単騎逃げの形に持ち込んだ。メイショウチタンが2番手、サリオスは先頭から3馬身ほど離れた3番手につけている。

 他の有力どころを見ると、武豊が乗る2番人気のタイセイビジョンは先頭から8馬身ほど離れた後方。その内に3番人気のレッドベルジュールがいる。

 前半800m通過は45秒4。先週の阪神JFよりコンマ1秒速かった。

 先頭から最後尾まで12、3馬身と、やや縦長になっている。

 ビアンフェが先頭のまま直線へ。

 ラスト400mを切ったところでムーアのステッキを受けたサリオスが、内外馬体を離したままビアンフェをかわしにかかる。

 馬場の真ん中からタイセイビジョン、さらに外からタガノビューティーが伸びてくる。

 ラスト200m手前では、一瞬、タイセイビジョンが突き抜けるかに見えた。しかし、タイセイビジョンに迫られると、サリオスはそれ以上の伸びを見せ、じわじわと差をひろげていく。

 大きなストライドを伸ばすサリオスが、2着を2馬身半突き放してフィニッシュ。勝ちタイムは1分33秒0。先週の阪神JFにコンマ3秒及ばなかったが、それでも立派なレースレコードだ。

「いい馬に乗ることができて光栄です。コーナーで幼さを見せながらこのタイムですから、もっと速くなると思います。体もしっかりしているし、将来が楽しみです」とムーア。

 2着はタイセイビジョン。武にとって朝日杯5度目の2着となった。3着は、これも後方から一気に追い込んできたグランレイ。4着のタガノビューティーを含め、サリオス以外は後方に控えた馬が上位に来た。

 速い流れのなかで先行し、そして突き放すという、とてつもなく強い内容で、サリオスが2歳王者の座を引き寄せた。

(文:島田明宏)

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