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【有馬記念】リスグラシューありがとう 矢作師万感「史上まれに見る名牝」

デイリースポーツ
  • 2019年12月23日(月) 06時00分
 「有馬記念・G1」(22日、中山)

 超豪華な顔触れがそろったドリームレースを、2番人気のリスグラシューが驚異の末脚で制圧。管理する矢作芳人調教師(58)=栗東=にとってうれしい初参戦での美酒となった。アーモンドアイを直接対決で打ち倒したことにより、年度代表馬争いはがぜん有利な立場に。ラストランを最高の形で締めくくったハーツクライ産駒は、その名とともに血統を後世へつないでいく。

 一完歩ごとにライバルを突き放した最後の直線。あらがう敵などもういない。キャリア最高のパフォーマンスを、ラストランで鮮やかに披露して見せた。令和の有馬を5馬身差圧勝で締めくくったリスグラシュー。矢作師は馬だまりに戻ってきた5歳馬をじっと見つめ、よし、よしと頭をなでた。

 「先週、今週と悔いがないように併せ馬を。追い切り後にさらに進化していた。自分の見る目に間違いがなかったことがうれしい」

 体質が弱かった2、3歳時とは別馬のような勝ちっぷりだった。師は「以前は出遅れることが多かったので、鍵はスタート」と心配していたが、全くの杞憂(きゆう)に終わった。「この馬には“ありがとう”の言葉しかない。有馬記念はファン投票だし、日本人として特別な思いがある。スタッフや、牧場関係者のみんなの力があっての勝利」。特例措置で呼び寄せたレーンも含め、“チーム矢作”でつかんだ特大の勲章。「働かない調教師で…」などと謙遜しつつ、ここに至るまでの思いがよぎり、声を震わせた。

 改めてリスグラシューとはどんな馬か、と問われた指揮官は、「史上まれに見る名牝」と返した。最初で最後となったアーモンドアイとの対決も難なく制し、宝塚記念コックスプレートに続く今年3連続のG1制覇。あとは、栄えある年度代表馬に選ばれるのを待つばかりだ。「一生に一度は獲りたいと思っていた。そのチャンスが大きくなったと思います」。至高の称号を胸に、1月19日の京都で引退式を行う見込みだ。

 令和元年を「出来過ぎでした」と振り返った師は、「交通事故に遭わないように」と周囲を笑わせた。今年の中央競馬最終日となる28日には、コントレイルで挑むホープフルSが待っている。しばし歓喜に浸り、再びチーム一丸となって目標へ突き進んでいく。

提供:デイリースポーツ

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