「ス
プリングS・G2」(22日、中山)
6番人気の伏兵
ガロアクリークが、直線外から豪快に差し切って重賞初制覇。見事にエスコートした鞍上のヒューイットソンも、4度目の挑戦でうれしいJRA重賞初勝利となった。2着が1番人気
ヴェルトライゼンデ、3着に2番人気の
サクセッションが続き、この3頭が
皐月賞(4月19日・中山)の優先出走権を獲得した。
伏兵と呼ぶには違和感を覚えるほどの強烈な末脚だった。6番人気の
ガロアクリークが、ヒューイットソンに導かれ重賞初制覇。引き揚げてくると、鞍上は出迎えた上原師とがっちり握手をして、喜びを分かち合った。
前半5F通過が63秒2というスローペースの中、1番人気の
ヴェルトライゼンデをマークする6番手でピタリと折り合った。「いい感じだったね。ジョッキーもいい感触を持って、自信を持って乗ってくれた」と、上原師は絶妙のコンビネーションを勝因に挙げた。
しっかりと脚がたまって迎えた最後の直線。内の
ヴェルトライゼンデ、外の
サクセッションの間を力強く割り、メンバー最速の上がり3F33秒8という決定力で、真っ先にゴールを駆け抜けた。
祖国である南アフリカでの活躍が認められ、短期免許で今年初来日したヒューイットソン。4度目の挑戦でJRA重賞初制覇を飾った22歳の若武者は「日本のG2を勝ててすごく光栄。大きなレースへ一緒に行けるのが、うれしい」と、指揮官よりも先に
皐月賞挑戦を明言した。
トレーナーの思いも一緒だ。「以前は子どもっぽかったが、レース慣れしてすごく落ち着いてきた。3着だけは外さないでと、きつくジョッキーに言っていたけど、褒めたいですね。本番もこのまま行きます」とコンビ続行を明かした。
あの勝利の美酒をもう一度-。16年前、このレースで
皐月賞の優先出走権を手にした厩舎の先輩
ダイワメジャーは、10番人気という低評価を覆し、本番を制した。師は「あの時も人気ないところから次に向かっていったね」と懐かしむ。土壇場でチャンスをつかんだコンビが、4週間後の中山で、再び大仕事を成し遂げる。
提供:デイリースポーツ