春の訪れを知らせる南関東重賞開幕戦・
マリーンCが4月2日(木)に
船橋競馬場で開催。例年、堅い決着が多いものの、昨年は川崎所属の
ラーゴブルーが
JRA勢を撃破し、ひと波乱を演出。前開催に続き、無念の無観客でレースが行われるなか、どの陣営にサクラ咲くか? 浅野靖典が過去の名勝負から“小ネタ”を紹介する。
過去23回の
マリーンCで
地方競馬所属馬の優勝は6回あるが、そのうち5回は2007年の第11回までに集中。昨年は川崎所属の
ラーゴブルーが制して
JRA所属馬の連勝記録にストップをかけたが、全体的にみると
JRA所属馬が優勢だ。
それでも実施されなかった2011年を除いた過去10回で、地方所属馬の2着は3回あって、3着には4頭が入っている。そのなかで地方所属馬が盛り上がりを演出したのが2017年。大井所属の
ララベルが逃げ、同じ厩舎の
リンダリンダが2番手をマークしたまま、最後の直線に入ったのだ。
その2頭の負担重量は55kg。
JRA所属で単勝1番人気の
ワンミリオンスは57kgで、2番人気の
ホワイトフーガは58kgを背負っていた。しかし勝利を挙げたのは3番手からレースを進めた
ホワイトフーガ。それでも
ララベルは最後まで粘って2着。
リンダリンダも3着に残った。
その2頭の単勝人気は、
ララベルが6番人気で
リンダリンダが4番人気。一方、3番人気以内の支持を受けた地方所属馬は過去10回で3頭いて、2010年3着の
ユキチャン(川崎)が3番人気、2012年2着の
クラーベセクレタ(船橋)が2番人気、昨年1着の
ラーゴブルーは3番人気。過去10回の
マリーンCでは“単勝3番人気以内の地方所属馬は、3着内率が100%”となっている。
さて、今年はそのデータに該当する馬がいるのだろうか。今年の登録馬にはダート
グレードレースで連対したことがある馬が、
ラビットラン、
アークヴィグラス、
サルサディオーネ、
マルカンセンサー、
ナムラメルシーと、5頭もいる。
しかし
JRA所属の出走予定馬でダート
グレードレースの連対歴があるのは
ラインカリーナだけ。
パッシングスルーは芝の重賞を制していて、初めてのダート戦だった前走の
エンプレス杯でも3着に善戦している。
ちなみに、過去10回での単勝1番人気馬の連対率は80%で、3着内率は90%。3着を外した唯一の年は、前述の2017年だった。
じつは
マリーンCには
クイーン賞と関連がある。2012年以降、2016年を除いて“前年の
クイーン賞に出走していた馬が1頭だけ連対”しているのだ。
もうひとつ、最近6年の
マリーンCでは“3走前が前年11月以降の
地方競馬で実施されたダート
グレードレースだった”という馬が“1頭だけ連対”しているというデータがある。これは過去10回に広げてみても、6月に実施された2009年を含めて、例外は
エンプレス杯が雪で取りやめになった2012年と、その翌年の2回だけ。これも注目できる“小ネタ”といえそうだ。
マリーンCは
船橋競馬場の1600mが舞台。スタート地点から1コーナーまでは250mほどだ。その結果をみてみると、過去10年の3着内馬30頭のうち20頭が、ゼッケン7番より大きい数字。そして過去10回とも「8番より外から発走した馬」が3着以内に1頭以上入っている。選択を迷ったときには、この傾向に頼る手があるかもしれない。
(文=浅野靖典)