3歳SIII「第23回
クラウンカップ」が今週15日に行われる。1、2着馬には
羽田盃(SI)の優先出走権が与えられ、今後の南関クラシックを占う一戦。傾向を探るとともに、今年の出走馬を分析する。
まずは川崎1600mのコース傾向をおさらい。4コーナーのポケットからコース1周のこの距離は、スタートからホームストレッチに入るため内外の枠順で大きな有利不利はなくペースも緩やかになりがち。ただ、3角からの急カーブと短い直線で勝負するためにはある程度の位置にいることが求められる。過去5年のクラウンCの1、2着馬の4角通過順は3、4、5、2、1、6、1、2、1、2。末脚勝負では厳しいことが分かる。
レース傾向としては若駒の戦いとあってやや波乱含み。15年は3連単618万円超の特大万馬券が出た。それでもその後4年間の3連単平均配当は5万4910円と落ち着いてきた傾向。新馬戦のスタートが早まり、2歳段階での完成度や休み明けでもきっちり力を出せるよう、牧場とトレセンの連携、調整法が確立されてきたことも大きい。近年は小久保厩舎が3連覇中。また、今年の3歳戦線は昨年の2歳重賞から高月厩舎が
鎌倉記念(
インペリシャブル)、
平和賞、
全日本2歳優駿(ともに
ヴァケーション)、
ニューイヤーC(
グリーンロード)と絶好調であることも頭に入れておきたい。
以上を踏まえて今年の出走馬を見ると、やはり主役筆頭は高月厩舎の
グリーンロード。
父パイロは18年
東京ダービー馬
ハセノパイロや19年
羽田盃馬
ミューチャリーを輩出。すでに地方ダートではなくてはならない種牡馬だ。
グリーンロードはデビューから6戦5勝。唯一の敗戦の
ゴールドジュニアーは、2戦目で初の大井遠征、発汗もひどくゲート突進と、若さが出てしまったが敗因は明らか。
その後の4連勝が強い勝ち方で、特に前走の
ニューイヤーCは度肝を抜いた。1分40秒0の勝ち時計は89年に
ロジータが記録した1分41秒1のレースレコードを1秒1も更新。それでもまだ目いっぱいという感じではなかった。
京浜盃を挫石で
スキップしたが、地元のこの距離なら死角はない。同厩の
インペリシャブルも絶好の1枠から逃げを打てば侮れない。
4連覇が懸かる小久保厩舎からは
チョウライリンと
ファルコンウィングが出走。
チョウライリンは大一番に強い川崎の騎手会長・今野騎手に乗り替わりで面白い。3連勝中の
エメリミットも一戦ごとに力を付けており有力な1頭だ。
(文=秋田麻由子)