小回りコースを1周する浦和1400mの勝負所は、ズバリ、向正面の直線。3コーナーでペースが上がり、ゴールまでの
サバイバルバトルに突入する前の立ち回りが、その後のレースの様相を左右する。各馬がここをどう乗り切るかが、勝負の行方を解き明かすカギになるのだ。
2016年の
さきたま杯を勝った
ソルテは、向正面で1ハロン13秒0という魔法のラップを刻ませた吉原騎手に誘われ、見事逃げ切り。一方、今回も出走する
ノブワイルドは、
ハイラップを刻み続けて後続の仕掛けのタイミングを奪うという果敢な戦法で、昨年9月に同じコースで行われた
テレ玉杯オーバルスプリントを逃げ切った。
差し馬のお手本は、2017年
さきたま杯の
ホワイトフーガ。他場ならやや早めに映る向正面からの一気の仕掛けが、印象的なレースだった。ペースが上がる前に先行馬を射程圏に入れるこの仕掛けが、浦和で鮮やかな差しが決まるパターン。昨年の
JBCスプリントで
ブルドッグボスが見せたコーナーからの追い込みは、普通なら滅多に決まらぬ「離れ業」の類いだ。
さて、今年の
さきたま杯。
ノブワイルドに
ゴールドクイーン、揉まれぬ形で結果を出してきた
ジャスティンと、先行馬がなかなか強力。差し馬も地元の雄
ブルドッグボスが登場するなど、粒が揃った。「小回り=先行馬」とか「ハイペース=差し有利」といった固定観念に囚われることなく、人馬のキャラクターを見極めつつ勝利の期待を託す馬を選びたい。
穴を探れば、
キャプテンキング。1年の休養明けを一度叩いて良化があれば、ここでも勝ち負けに加わるポテンシャルは備えると見る。今回2度目の騎乗となる和田騎手には、道中では後続の追撃を許さぬ彼らしい強気の攻め込みを期待する。
(文=
ブロードキャスター・坂田博昭)
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