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【勝負の分かれ目 エルムS】新ダート王候補が伯楽に札幌の初重賞をプレゼント

  • 2020年08月09日(日) 17時30分
 ゲートが開くと、リアンヴェリテが激しく追われてハナに立った。アナザートゥルースハイランドピークらがつづく。直後にヒラボクラターシュ、3番人気のエアスピネルらがいる。エアスピネルはやや首を高くするシーンが見られたが、すぐ元のフォームに戻った。それほど行きたがっているわけではなさそうだ。

 エアスピネルは、外のバスカヴィルを先に行かせて向正面へと入って行く。

 その外にはアディラート、さらに外にはクリストフ・ルメールが騎乗する1番人気のタイムフライヤーがいる。タイムフライヤーにとって、これがダート8戦目。ダート初参戦だった昨年のエルムS(6着)からちょうど1年になる。同馬は、先頭から5、6馬身のところを抜群の手応えで進んでいる。

「前回すごくいい競馬をしたので、今日も勝つ自信がありました。馬の状態はよかったです。追い切りでいい脚を使いました。レースではいいポジションを取ることができましたし、馬がリラックスできました」とルメール。

 先頭から最後尾を走る2番人気のウェスタールンドまでは11、12馬身か。

 リアンヴェリテが先頭のまま3、4コーナーを回って行く。

 2番手のアナザートゥルースが外からこれをかわしにかかる。大外からマクるようにウェスタールンドが進出してきた。すぐ内のタイムフライヤーも加速し、同じ勝負服のこれら2頭が併せ馬の形で先頭に並びかけて直線に入った。

 内からアナザートゥルースハイランドピークタイムフライヤー、そしてウェスタールンドの順で横並びになった4頭が激しく叩き合う。

 ラスト200m地点でタイムフライヤーが抜け出した。ルメールが左から右へと鞭を持ち替え叱咤すると、それに応えて脚を伸ばす。

 最後の数完歩はルメールもそれほど強く追わなかった。タイムフライヤーは、2着を2馬身突き放し、2017年のホープフルステークス以来となる重賞勝ちをマークした。ルメールはこう話す。

「絶対ダートで重賞を勝てると思っていました。この馬といい関係ができています。今日は彼の能力を見せてくれました。これからもいい結果を出すことができると思います」

 意外にも、これが管理する松田国英調教師にとって札幌での重賞初制覇だった。来年2月で定年を迎える伯楽にさらなる勲章をもたらすか。ダート界の覇権争いが楽しみを増した。

(文:島田明宏)

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