冒頭から穴党のやる気を削ぐわけではないのだが、
ブリーダーズGCは後述の通り、堅い重賞である。牝馬限定戦として施行されるようになった2014年以降の傾向を見ると、主に3つの傾向が見てとれる。
まず、「馬券圏内はすべて中央馬」であるということ。過去6年で、地方所属馬は一頭も馬券に絡めず、2016年に4着した
ジュエルクイーンが最高着順。
続いて、「1番人気馬はオール馬券圏内」である点。1番人気馬は[1-4-1-0]で、勝ち切れないながらも確実に馬券圏内には好走している。
最後は、「3連単万馬券は1度だけ」という点だ。これまで、3連単でも3,000円未満の配当が4度を数え、万馬券が出たのは
2018年のみ、という
テッパンレースなのだ。
では、穴党の出番はないかといえば、そんなことはない。3年前には6番人気の
マイティティーが勝利し、3連単は2万馬券。2年前は3番人気の
ラビットランが勝利し、3→4→1番人気の順番で入り、3連単は8千円台をつけた。堅くて妙味がない…というより、考え方によっては「
JRA所属の上位人気馬の順番を当てるだけで中穴配当を手にできるレース」ともいえるのだ。
今年の出走馬を見渡すと、人気を集めるのは
プリンシアコメータと
レーヌブランシュのどちらかだろうか。前者はすでに交流重賞で3勝を挙げている7歳の古豪で、後者は前走の
関東オークスで初重賞制覇を成し遂げた3歳馬と、立場はまるで異なる。
ただ、共通することがひとつだけある。それはともに“勝ち切れない歴史”を刻んでいることだ。
プリンシアコメータは自身が当レースで2年連続2着と、あと一歩のところで涙を飲んでいる。一方、
レーヌブランシュについては、自身も該当する話だが、同年の
関東オークスを制して出走してきた3歳馬は過去6年で5頭おり、[0-2-2-1]とやはり勝ち切れていない。
恐らく、1番人気はどちらかになりそうだが、馬券のことを考えると他の馬の単勝や、人気馬を2-3着にすえて、裏目千両を狙う3連単などが面白いかもしれない。いずれにしても、買い方がポイントになる。
ブリーダーズGCは、印をつけた後に真の戦いが始まるのである。
(文=TARO)