先日、世界最高賞金レース・
サウジカップ(2月29日=ダート1800メートル)の2〜10着馬に賞金を分配するとサウジアラビア・ジョッキークラブが発表した。日本から参戦した6着
ゴールドドリームに60万ドル(約6600万円)、7着
クリソベリルに50万ドル(約5500万円)が支払われるというのだから、何ともスケールの大きな話である。
さて、そんなタイムリーな時期(?)に“世界ナンバー6”
ゴールドドリームの半妹
ゴールドジャーニー(
父ダイワメジャー、
母モンヴェール・平田)が、土曜(22日)小倉ダート1700メートルでデビューを迎える。両馬とも管理する平田調教師に兄との共通点を聞いてみると「走るところやな。いいものを持っている」とズバリ直球回答が。
実際、1週前追い切りでは、競馬でも騎乗予定の川田を背に栗東坂路4ハロン52.8-12.1秒と、この時期の2歳馬としては文句なしに優秀な時計をマーク。これにはトレーナーも「血統的にはダートがいいと思うんだけど、芝でもやれそうなスピードを持っている」とさらに自信を深めているようだった。
厩舎前で取材をしていると、「あれがそうやで」とトレーナーの指さす先に
ゴールドジャーニーが登場。体は現状450キロ前後と兄よりひと回り以上コンパクトでも、数字ほど非力な印象は受けない。「胴のつくりなんかはゴツッとしていて
ゴールドドリームに似ている。ここにきて体が増えてきたし、もっとデカくなるかも。とくに幅が出そうな感じがする」なら今後の成長力にも期待が持てそうだ。
一方で、似ていないことが吉と出そうな側面も。兄の
ゴールドドリームは出遅れ癖があり「若いころは苦労した」と苦笑いの平田調教師だが、妹については「スタートは大丈夫」と太鼓判。
父ダイワメジャーから受け継いだ前進気勢と「この血統は意外におとなしい」という一族の特性がうまくマッチしたのだろう。
GI・5勝の偉大な兄に「続いてほしいね」とトレーナーが熱視線を送る厩舎ゆかりの血統馬が、どんな走りを見せるのか目が離せそうにない。
また、同日の新潟ダート1800メートルにも平田厩舎の期待馬
ゴールドレガシー(牡=
母ベルエアシズル)がスタンバイ。
ゴールドドリームの父でもある
ゴールドアリュールの最終世代で「きゃしゃな見た目とは裏腹に坂路で追い切るとゴール板を過ぎても止まらないくらいの手応え。もう少し幅が出れば、どこまでやれるんだろうって期待を持たせてくれる馬だよ」と水口助手。こちらの“ゴールド”にも併せて注目してほしい。
(西谷哲生)
東京スポーツ