馬券攻略に役立つ
ファクターはいくつかありますが、「コース適性」はそのひとつです。出走馬がそのコースに適性があるのかないのか、これを知らずして馬券を買うのは、水着を忘れて海水浴へ行くようなものでしょう。とくに新潟外回りのような日本一直線の長い特殊なコースでは、血統に由来する得手不得手が如実に表れます。
2歳重賞の場合、「父の2歳戦の産駒成績」も重視しなければなりません。仮にコース適性が高くとも、晩成タイプであるなら2歳重賞では苦戦必至です。2010年以降、新潟芝1600mの2歳戦で、産駒が20走以上した種牡馬は23頭います。
連対率ベスト5を見てみると、1位
ディープインパクト(46.7%)、2位
ロードカナロア(29.6%)、3位
ハーツクライ(26.3%)、4位
キングカメハメハ(25.6%)、5位
ダイワメジャー(24.0%)の順になっています。
ディープインパクトが断然トップ。連対率46.7%なので2頭に1頭近くが連対を果たしています。そこから大きく離れて
ロードカナロア以下が小差で並んでいます。今年、上記5頭のなかで、産駒が登録馬に名を連ねているのは
ディープインパクトしかいません。例年と異なり登録馬がわずか11頭と少ないため、2-5位の種牡馬が珍しく産駒を送り込むことができませんでした。
上記5頭の産駒は、過去10年間の
新潟2歳Sで、連対馬20頭中9頭を占めるという圧倒的なシェアを誇ります。直近の3年間に限ると6頭中5頭です。しかし今年は、上位5頭のうち4頭が不在なのですから、唯一産駒を送り込む
ディープインパクトが断然有利な立場にあります。もともと数値的に飛び抜けているうえにラ
イバルがいないのですから、“断然の1強”です。
ディープインパクトを父に持つ登録馬は
シュヴァリエローズと
ロードマックスの2頭。どちらも有力ですが、とくに前者は「母方に
カーリアンを持つ」という配合なので注目です。このパターンの
ディープインパクト産駒は、
ダノンシャーク(
マイルCS)、
ジョワドヴィーヴル(阪神JF)、
カミノタサハラ(弥生賞)、
サトノラーゼン(
京都新聞杯)など多くの活躍馬が出ています。
2歳戦の成績が素晴らしいのも特長のひとつで、とくに芝1600mに限ると連対率54.8%。初戦の内容から人気に推されるのは間違いありませんが、血統からも有力候補であることが裏付けられます。軸馬としての信頼性はきわめて高いでしょう。
人気薄で馬券圏内に食い込む可能性があるのは
タイガーリリー、
ハヴァス、
セイウンダイモスの3頭。高配当狙いで迷った際は、買い目に入れてみたいところです。
(文=栗山求)