「
毎日王冠・G2」(11日、東京)
快進撃のスタートだ。
菊花賞へは向かわず、秋初戦に古馬との戦いを選択した
サリオスが、その壁を軽々とクリア。3歳牡馬No.2の実力を思う存分見せつけ、19年の
朝日杯FS以来となる美酒に酔った。今後はマイルCS(11月22日・阪神)や香港に照準を定めていくもよう。2着は4番人気の
ダイワキャグニー、3着には5番人気の
サンレイポケットが続いた。
パーフェクトな秋初戦だった。
皐月賞、ダービーと2着だった
サリオスが、ここでは力が違うと言わんばかりに、歴戦の古馬の壁を軽々とクリアした。
春より一段と磨きがかかったスタートセンスで好発を決めると、周りの様子を見ながら絶好の4番手を確保。主導権を奪った
トーラスジェミニが刻む、前半5F58秒0のよどみない流れにも難なく乗った。「いいスタートで、すぐ内田さん(
ダイワキャグニー)の後ろのポジションが取れた」とルメール。この時点で「勝つ自信があった」と振り返った。
迎えた最後の直線。あとは、追いだしのタイミングを計るだけ。「馬の
パワーを感じることができたし、坂を上がり切るまで我慢して、ちょっとずつ加速して行きました」。満を持してGO
サインを出すと、相棒は一瞬にしてエンジン全開。「馬場が少し緩かったので、ゴールまで集中させました」と手を緩めることなく鼓舞し続けると、メンバー最速となる上がり34秒1の切れ味で、3馬身という決定的な差をつけた。
「完璧なレースができた。馬がすごくいい競馬をしてくれた。とてもうれしい」。テン乗りで勝利を収めたルメールも絶賛の走りだった。また、自身も8〜11Rまで4連勝を飾り、「ごっちゃんです」と喜びを表現した。
春のクラシックでは
コントレイルという大きな壁の前に屈辱を味わったが、そのうっぷんを晴らすかのような快勝劇。シルクレーシングの米本昌史代表は「きょうの結果は最高です」と喜び、「今後はマイルCSか香港になると思います」と次なる
ターゲットを明かした。実りの秋へ-。ここから快進撃が始まる。
提供:デイリースポーツ