4歳以上の牝馬競走大系の見直しによって古馬混合戦となった
エリザベス女王杯の代わりに創設された3歳牝馬限定競走で、第1回からすべて京都競馬場の内回り2000mコースで行われている。
スタートから1角までの距離が短く、また4角からゴールまでも328.4mと短い。器用さも求められるト
リッキーなコースだが、同斤量で行われる世代限定戦だけに実力馬が力でねじ伏せるケースが多く、過去10年で1~3番人気馬9勝2着4回3着3回。昨年4番人気で優勝した
クロノジェネシスが優勝馬の中ではもっとも人気薄での勝利だった。
どうしても逃げたい馬が不在のフルゲート小回り戦。流れひとつで紛れも出てきそうだが、史上初の偉業に挑む◎
デアリングタクトの評価を下げる理由が見当たらない。ぬかるんだ馬場状態を考えれば、とても届かないような位置から豪快に伸びた
桜花賞。その末脚は、良馬場で行われた
オークスではさらに輝きを増してレース史上最速の33秒1。
アーモンドアイが記録した33秒2、
シーザリオの33秒3をさらに上回った。競馬なので「絶対」はないが、少なくとも高い信頼を置ける本命馬だ。
わずかながら逆転の可能性を秘めているのは○
リアアメリアではないだろうか。ゲートに難を抱えていた馬が、ひと夏を越して2番手追走から早めに先頭に立って後続を突き放した。出遅れながらも“もったまま”で楽勝したデビュー戦は限りない可能性を感じさせ、2戦目の
アルテミスSでは上がり3ハロン33秒0を記録した。
阪神ジュベナイルフィリーズ以降は勝ち星に恵まれていなかったが、デビュー戦から数えれば26キロも体重を増やした
ローズSで復活の狼煙をあげた。母はカナダの2歳牝馬チャンピオン。繰上りとはいえBCジュ
ベナイルフィリーズの優勝馬で、古馬になってBCディスタフでも4着と健闘している。少なくとも早熟ということはなさそうだ。
オークスに続いて枠順に恵まれない▲
ウインマリリンだが、その
オークスでも無理なく先行し、内ラチ沿いからゴール前で1度は先頭に立った。結果は2着だったが、優れたレースセンスを示した1戦でもあった。今回は、初の長距離輸送もポイントになりそうだが、半兄に
ラジオNIKKEI賞優勝の
ウインマーレライがいる血統の
スクリーンヒーロー産駒。本質的にはもう少し距離があった方が良さそうだが、内回りコースに求められる立ち回りの上手さを持っており、これは武器になる。
前走で人気を裏切った△
ウインマイティーは、この馬としては珍しくスタートでミスをしてしまった。外枠だったこともあって前半は無理をしなかったが、それでも3角過ぎから早めにスパートして長く良い脚を使った。あのような競馬ができれば、チャンスも広がりそうだ。
スローペースの競馬に強い△
マルターズディオサは、
桜花賞、
オークスで減った馬体重を戻して
紫苑Sに勝った。先行力と立ち回りの器用さは内回りコースでは大きな武器。願ってもない枠を引き当てたので春の借りを返したいところだ。
ラジオNIKKEI賞で人気に応えることができず。
紫苑Sで2着に食い込んだ△
パラスアテナは使われながら末脚に磨きをかけてきた。今回も枠順には恵まれなかったが、前走のような競馬ができれば上位争いはできそうだ。△
ムジカの前走はフロックではない。使える脚が短いので勝ちきれないシーンが続いているが、逆に言えば直線の短い内回り向き。この馬の瞬発力は無視できない。