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【地方競馬】年度代表馬2度のハッピースプリントが引退 森下師「ものすごい能力のあった馬」

  • 2020年10月19日(月) 19時07分
 大井競馬場からのリリースも出ましたが、地方競馬の一時代を築いたハッピースプリント(大井・森下淳平厩舎)が引退しました。

 2013年5月に北海道の田中淳司厩舎所属馬として門別競馬場からデビュー。全日本2歳優駿北海道2歳優駿などを制し、NARグランプリ2013・年度代表馬&2歳最優秀牡馬を獲得。

 南関東では、大井の森下厩舎に所属し、南関東クラシック2冠(羽田盃東京ダービー)を達成して、3冠目のジャパンダートダービーは中央のカゼノコに惜しくもハナ差の2着に敗れました。この年はNARグランプリ2014・3歳最優秀牡馬を受賞。

 4歳になり、浦和記念で古馬のダートグレード競走を初制覇するなど、この年はNARグランプリ2015・年度代表馬&4歳以上最優秀牡馬を獲得。

 地方所属馬にとって最高の栄誉であるNARグランプリに3年連続で選出されました。

 ダートグレード競走には果敢に挑戦していき、ホッコータルマエコパノリッキーなどの中央ダート最強馬たちにも地方競馬の大将として果敢に立ち向かっていきました。

 4歳秋以降からは、蹄が変形していくという非常に特殊な疾患との闘いとなり、長期休養を挟みながら、関係者は尽力しハッピースプリントもそれに応えてきましたが、来年には10歳になるという年齢も考慮し引退が決定。今後は種牡馬になるそうです。

「ハッピーは心身ともに他の馬とはちょっと違う強さがありました。スピードもその持続力も、体力も、体の使い方も、精神的な面も含めて、全部がすごい馬でした。一番肝心な蹄という所に苦しんだ馬ですが、それ以外で苦労したことはほとんどありません。

若い頃からたくさんの人たちの期待を背負いながら結果を出し続けて、競馬を盛り上げてくれて、そういう使命を持って生まれてきた馬なのだろうなぁと思います。ファンにも携わる人たちにもたくさんの感動を与えてくれたことは本当に感謝というかその一言に尽きます。間違いなく一生忘れられない馬になると思います。

オーナーさんからこれからは種馬になると聞いています。ハッピー自身がものすごい能力のあった馬だったので、今度はオーナーさんとともにハッピーの子供で3冠にチャレンジしたいですね。ハッピーにはこれからも夢を与え続けてほしいです」(森下調教師)

ハッピースプリント
9歳牡馬 、馬主:(有)辻牧場様、生産:辻牧場様(浦河) 、父:アッミラーレ母:マーゴーン母父:Dayjur

重賞タイトル:サンライズC、北海道2歳優駿全日本2歳優駿(2013年)、京浜盃羽田盃東京ダービー(2014年)、浦和記念(2015年)

NARグランプリ受賞タイトル:NARグランプリ2013・年度代表馬&2歳最優秀牡馬、NARグランプリ2014・3歳最優秀牡馬、NARグランプリ2015・年度代表馬&4歳以上最優秀牡馬

(取材・文:高橋華代子)

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