60年近い歴史を持つレースだが、1984年以降は、2002年の東京競馬場馬場改修工事を除いて東京競馬場芝2500mを舞台に行われているハンデ戦。秋を迎えて急成長してきたような中・長距離馬が、ここを
ステップに
天皇賞・秋、あるいは
ジャパンC出走馬を相手に
有馬記念で好走するようなケースもあり、将来性を占う楽しみを持ち合わせたレースでもある。逆に実績を積んできたトップハンデ馬は、延べ15頭が出走し2勝2着2回3着1回と苦戦傾向が続いている。一方、1~3番人気馬は9勝2着4回3着6回。1番人気馬も3勝2着2回3着1回と人気に応えるケースが多い。
デビューしたばかりの頃の◎
サンレイポケットは気性面に難しさを抱えていたが、長期休養明け2戦目から9戦連続して複勝圏内を確保。重賞初挑戦となった
新潟記念は勝ち馬と同タイム3着で、前走の
毎日王冠はGIを狙おうかというメンバーに入って2着とハナ差3着と力を付けている。3代
母アドマイヤラピスは牝馬ながらに嵐山Sに勝ち、ステイヤーズS2着。全7勝中5勝を2000m以上で記録しているスタミナ型。
アドマイヤフジや
アドマイヤデウス、
アドマイヤコスモスなど古馬になって力を付けてくる馬が多い晩成ファミリーだ。5歳秋を迎えて本格化の兆しを見せている。
トップハンデを背負うことになった○
ユーキャンスマイルは重賞3勝。天皇賞春秋ともに4着、
ジャパンC5着ならGI級だ。500キロの大型馬で、背負い慣れた58キロなら、むしろハンデに恵まれたともいえる。この馬としては初めてとなる半年ぶりの実戦ということで、やや評価を下げたが、3番手以下には落とせない。
3番手が悩ましい。
▲
ラストドラフトは新馬、
京成杯と連勝し、
メイショウテンゲンが勝った弥生賞では2番人気に支持された馬だった。父が欧州の名馬
ノヴェリストで、母は
桜花賞馬
マルセリーナ。やや人気先行型ではあるが、この距離で見直してみたい。
△
メイショウテンゲンの武器は
母メイショウベルーガゆずりの末脚。昨年の弥生賞優勝馬で、今春はダイヤモンドS2着、
阪神大賞典3着と長距離レースを得意としている。追い込み一手ゆえに展開に左右される面は否定できないが、東京競馬場の長い直線は味方してくれそうだ。オープン級にあがってからはクラスの壁にあたっているような印象を受ける△
オセアグレイトだが、条件戦を連勝していた時代は、すぐにでも中・長距離重賞をと期待されていた馬だ。奥がありそうな血統背景を持つ4歳馬。改めて期待したい。△
アイスバブルは
目黒記念2着2回。昨年は上位人気を裏切ってしまったが、この舞台は得意のはずだ。