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【兵庫ジュニアGP回顧】着差以上の強さでデュアリストが3連勝(斎藤修)

  • 2020年12月03日(木) 18時00分
 園田競馬場で行われるダートグレード、特に2歳の兵庫ジュニアグランプリと、3歳の兵庫チャンピオンシップでは、着差が開いてのゴールになることが多い。今回も1、2着こそ半馬身差だが、3着は4馬身、4着はさらに6馬身と、JRA勢の人気4頭が上位を占めたが、その差ははっきりとついた。

 好スタートから逃げたデュアリストは、3コーナー過ぎまでゼンノアンジュにぴたりとつかれていたが、手応えの差は歴然。そのとおり、直線であっさりと突き放した。そして3番手で一旦は差を広げられたレディバグがゴール前迫り、1/2馬身まで差を詰めてのゴールとなった。

 勝ちタイムは良馬場で1分26秒9。1分26秒台は2014年に浦和のジャジャウマナラシが勝ったとき(1分26秒4)以来だが、そのときは重馬場だった。地方のダートと小回りコースへの対応ということもあるが、勝ったデュアリスト、2着のレディバグとも近年の勝ち馬以上の能力と、将来性が期待できそうだ。

 1番枠のデュアリストが抜群のスタートを切ったので、これはもう逃げるしかない。勝負どころからは、ゼンノアンジュに並びかけさせない程度に気合を入れ、直線でもムチを使われることがなかった。レディバグが差を詰めてきても、福永祐一騎手は2度、3度と振り返ってその脚色を確かめているので、着差以上の勝利だったといえそうだ。全日本2歳優駿へも登録済。ヤマボウシ賞の中京で左回り、今回は小回りコースを問題なくこなしたとなれば、あとは200mの距離延長がどうか。

 レディバグは、逃げたデュアリストよりも内目を通って3番手を追走。前走デビュー戦では、スタートで外に逃げて、3コーナーでも外にモタれていたということで、そのときはたしかにスタートしてしばらく右手綱を引っ張ったまま追いづらそうにしていた。今回もスタートして外に逃げそうになったが、すぐに修正するとあとはまっすぐ走っていたようだった。1、2コーナーを回るところでは、ゼンノアンジュジョーロノが外でフタをするような位置にいたのでうまく回れたということはあったかもしれない。ずっと最内を回ってきて、4コーナーを回るところでゼンノアンジュの外に持ち出し、直線はデュアリストをとらえるのではないかという勢いで伸びた。デビュー戦から2週間とちょっと、しかも小回りコースでよく修正してきたものと思う。距離は延びてもよさそうで、伸びしろはかなりありそうだ。

 勝ったデュアリストは父がミッキーアイルで、2着のレディバグホッコータルマエと、ともにこの世代が初年度産駒。ミッキーアイル産駒ではメイケイエールが小倉2歳S、ファンタジーSを制してデビューから3連勝。ホッコータルマエ産駒ではモリノオーシャン(門別・ブロッサムC)、ダイセンハッピー(名古屋・ゴールドウィング賞)という重賞勝ち馬が出て、早くも産駒の活躍が目立っている。

 デュアリストをぴたりと追走してきたゼンノアンジュは、直線に入って苦しくなったのか内によれた感じで失速。2着レディバグに4馬身差をつけられた。終始手応えに余裕があった勝ち馬を負かしにいったぶん、力尽きてしまった。

 JBC2歳優駿ではハイペースの先行争いに巻き込まれて失速したルーチェドーロだったが、今回は中団に控えての追走。向正面で前との差を詰めていったが、4コーナー手前で一杯になってしまった。函館ダート1000mのデビュー戦でのレコード勝ちは圧巻だったが、今回はコースが合わなかったのか、1400mでも長かったのか。

 ここまで6戦のうち5戦で逃げていた浦和のジョーロノは、外枠もあっただろうが、無理にハナをとりにいくことはなかった。それだけデュアリストのスタートダッシュが速かったということだろう。

 地元最先着は、デビューから3連勝で兵庫若駒賞を制していたツムタイザンで、勝ち馬から2秒差の6着。それでも走破タイム1分28秒9は、兵庫若駒賞の勝ちタイムより2秒4も速かった。

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