「
園田ジュニアカップ」は今年で第49回目を迎え、若駒にとっての年末の大一番として定着している。過去の覇者には後にダービー馬となる
ロードバクシン、
オオエライジン、
インディウム、
ノブタイザン、
コーナスフロリダを輩出。ほかにも
ホクザンフィールド、
エーシンクリアー、
マジックカーペットなど兵庫を代表する名馬などが多数出ている。
【
園田競馬場の1700m戦の特徴】
この舞台は向正面からスタートし、すぐに3角に入るため、比較的ペースが落ち着きやすい。ただ、2歳戦は距離経験の少ない馬が多く、折り合いがつかずに、掛かる馬が出てくるケースがある。古馬のレースでは内枠の逃げ、先行馬が有利だが、2歳戦では差し馬の台頭も期待できる。
【過去の傾向】
第31回に牝馬の
ハヤセスイグンが制して以降は牡馬が17連勝。牝馬は苦戦することが多く、連対すらも数少ない。ただ、近3年は流れが変わってきた。3、2、2着と馬券圏内へ。軽視は禁物かも。
【有力馬紹介】
・
ツムタイザン 2歳世代の代表格。デビューから3連勝で兵庫
若駒賞を制覇。最後は流しながらでも2着に8馬身差をつけた。勝ち時計の1分31秒3は同日の古馬B1と同タイム。この時期にしてはかなり優秀なもの。前走のJpnII
兵庫ジュニアグランプリは6着も、初めての厳しいペースに加え、砂をかぶる競馬。貴重な経験になった。徐々に馬体重が増え、たくましさが増した印象。見栄えのする好馬体へと成長している。あとは初距離の千七にどう対応できるかがポイントになってくる。
・
シェナキング キャリアを積み確実に成長の跡を刻む。距離が延びた2戦目を10番人気で初勝利。その後は大崩れはしないものの勝ち切れぬレース。
ツムタイザンとは兵庫
若駒賞で初対戦。見せ場なく7着に敗れている。だが、千七へ距離を延長して、お目覚め。2連勝と距離適性を示した。スローの流れを差し切っている点は高く評価できる。重賞で前が流れるならなお良し。2歳馬らしからぬ追い込み勝負は脅威そのものだ。
・
パールプレミア 新馬→認定を強い内容で2連勝。素質は相当なもので、高性能を誇る。ただ、その後の千七の認定戦で折り合いを欠いて3着に敗れたことで、評価が難しくなったのは確か。ただ、爆発力といった点ではかなりのものだし、2走目で慣れは見込める。スムーズな競馬ができるようなら、反撃のシーンも十分だろう。
・操縦性の良さなら
キングオブハーバー。新馬→未勝利はともに2着に敗れたが、千七となった認定戦で後続にコンマ9秒差をつける圧勝劇。走るごとに動きが良くなってきた。一線級との対戦はなく、力関係に関しては分からないが、スタミナは豊富。前、前でレースを作れるのも強み。術中にはめ込むことができれば大仕事も可能な一頭だ。
・ほかでは当距離で好実績を残る
クルゼイロに、いい枠を引き当てた
ナットグレースワン。当タイトルと相性のいい
田中範雄厩舎が送り出す
ホットストリークや、前走で調子の良さがうかがえた
ユナチャンも上位をうかがう。
【予想】
伸びシロたっぷりな
キングオブハーバーに白羽の矢を立てる。余裕のあるローテで、じっくりと調整。前、前から自ら組み立てられるのは好材料。早め先頭から後続を振り切る。現時点での完成度は
ツムタイザン。初距離を嫌って対抗にしたが、底力でねじ伏せることも十分か。
シェナキングは展開に左右されるが、末脚の威力はナンバー1。ロングスパートから迫る。
パールプレミアはとにかく折り合いだけ。そこさえクリアできればそん色はない。出遅れた前走でも見どころのあった
クルゼイロは距離に適性もあり、不気味な存在に。内枠&道悪で
ナットグレースワンの連入を警戒したい。
(文=桑原勲)
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