帯広記念はBG1(ばんえい
グレード1)という格付けが示す通りそれ自体が大レースであるとともに、3月に行われるばんえい記念(牡馬1トンの重量を曳く)に繋がる競走。今回890〜920キロという重量を見て分かるように、ばんえい記念に次ぐ高重量戦だ。
ばんえい競馬の馬は完成期が遅く、世代限定重賞も遅くまで組まれる。このレースの翌日にあたる1月3日には明け5歳馬限定の天馬賞が行われるので世代限定戦の枠を離れ帯広記念に出走するのは6歳以上馬ということになるが、今回は6歳馬1頭のみ、7歳も2頭。一方で明け11歳馬が3頭おり、うち2頭が上位人気になりそうだ。
サラブレッドの競馬だけを見ている人は11歳馬が大レースで人気になるというと驚くだろうが、ばんえいは若さよりも経験がものをいう面がある。この年齢でも侮ってはいけない。
オレノココロはこれまで帯広記念に5回出走し3勝・2着1回。今年度は苦手な夏を休養にあてたことが功を奏し、大崩れすることのないレースを続けている。たまに第2障害での失敗がある馬だが最近はそれもほとんどなくなり、得意の高重量戦で真価を発揮してくれそうだ。
同じ11歳のコウシュハウンカイは賞金による重量の加増がオレノココロよりさらに10キロ重いが、昨年は全く同じ条件で帯広記念を勝っている。9月に岩見沢記念を勝った後は連続して3着以下だが、これも昨年に似た臨戦過程。下の世代から高重量戦向きの馬があまり出てきていないので、古豪2頭の天下は続きそうだ。
9歳のセンゴクエースは一昨年のばんえい記念優勝馬。2歳時から主要競走で好走を続けてきた馬だ。かつては高重量戦を避けていた感じもあったのだが、最近ではむしろ得意になりつつある。一時期障害のスランプのような時期もあったが、最近はそれも解消している。今回は一気に荷物が重くなるが、それでも障害をしっかりクリアできるようなら、ばんえい記念へ向け展望が開けてくる。
メジロゴーリキは2017年のばんえいダービー馬。古馬重賞では惜敗が多かったのだが、11月の北見記念でついに優勝を果たした。帯広記念は初挑戦。スピード戦でも好走する馬なので900キロは不安だが、好走して成長ぶりをアピールしてほしいところだ。
メジロゴーリキと同世代のミノルシャープは今年度の前半絶好調だったのだが、昨秋以降状態もいまひとつで大敗を続けてしまった。復調しつつあるようだが、今回は年度前半に稼いだ賞金が影響してコウシュハウンカイと同じ920キロのトップハンデ。条件としては少し苦しい。
今回最年少の6歳馬キタノユウジロウは、年長馬との戦いにも少しずつ慣れてきた印象。850キロを曳いた北見記念では5着ながら勝ち馬から1.5秒差。オレノココロ、センゴクエース、メジロゴーリキとは当時より負担重量の差が10キロ広がる(有利になる)ので、自身が890キロという絶対値をこなせたなら上位に食い込む可能性もある。
(文:須田鷹雄)
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