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アドマイヤチャンプ 壮絶な震災体験

  • 2013年07月01日(月) 21時05分
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 ひとを乗せることができなくなった馬の行く末は、余生ではなく廃用という道であることが多いが、一般の私たちでも馬を引き取った後、安心して預けられる施設が増えてきている。

 生産から育成、競走を経て引退後の余生まで、全部ひっくるめて競馬だと思っている私にとっては、ホーストラスト北海道さんのような養老牧場は「あって当たり前」だと簡単に言えても、現実はとても厳しく、辿りつける馬は悲しいくらい少ない。

 ホーストラスト北海道さんには、入厩したアドマイヤチャンプがいる。

 父ノーザンテースト。今年の冬に亡くなったタイキマーシャルの半弟にあたり、兄の死と入れかわるようにチャンプはやって来た。

 チャンプは宮城県の乗馬クラブで震災に遭い、建物ごと津波に流されて生き残った馬。馬体は激しく傷つき、血だらけの状態で発見されたという。今でもチャンプの背中には、大きな傷跡が何か所もあり、当時の壮絶さを物語っている。

 一番安全で安心と思われた馬房が流されて、40頭いた仲間たちと激流の中「神様!」と叫んだかもしれない。一緒に助かったトニーザプリンスと、途方に暮れた日々を、悪夢のように思い出して震える夜もあるだろう。

 チャンプにはまだ、ここでの友だちができてはいない。

 何となく、ゆらゆらとひとりぽっちでいるようだ。

 雄大な岩内の丘やニセコ山系を眺める時間が傷ついた心を癒し、三日に一度、一週間に一度と、自然に悪夢が遠のいていき、チャンプの胸の中でうまく希釈されることを祈りたい。

 ゆっくりとでいいから、いつか心を許しあえる友だちができればいいね。

 あなたたちの余生はもう心配ないのですよ。

あれから2年が経ちます。復興への道のりは長く長く続く、そして人々はあの日のことを忘れられない。
ネタ元のURL
http://girls.jbis.or.jp/2013/07/post-bd1c.html

みんなのコメント4件

  • オウケンブルーベリー

    オウケンブルーベリー

    幸せに余生を送って欲しいなぁ~。早くお友達が出来ますように・・・。

  • みどり

    みどり

    きっと、人も馬もあの震災でなくした物は大きいのでしょうね。
    少しずつ、ゆっくりでも、アドマイヤチャンプの心の傷が癒えますように。
    新しいお友達できるといいね。

  • いわぽん

    いわぽん

    私の通う乗馬クラブにも、被災した馬がいます。今でも、悪夢を見ることが有るのでしょうか…。心の傷は、癒えたのでしょうか…。ふと、そんなことを思いました。

  • jemmama

    jemmama

    2013年6月11日にアドマイヤチャンプ君に会ってきました。彼はまだ馬房の中にいましたが、ちょっと前に入厩してきたリヴプルーフちゃんや、トウショウヘリオス君と一番近くにいるので、きっと仲良くなれると思います。

    人に対しても優しくて怖がらなチャンプ君、青草をいっぱい食べて穏やかな表情でこっちを見つめてくれました。
    ここで元気で幸せに生きてくれます。だってマーシャル君がここに呼びよせたから、彼がちゃんと守ってくれるはず・・・