「
きさらぎ賞・G3」(7日、中京)
つかんだチャンスは逃さない。2020年デビューの
泉谷楓真騎手(19)=栗東・本田=が、
タガノカイで自身3度目となる重賞に挑む。同馬には3回騎乗して2勝を挙げる相性の良さ。思い切った逃げの手が奏功し、持ち味であるしぶとさを引き出した。前走を鮮やかに逃げ切った舞台で、再び逃亡劇を演じる。
弱冠19歳。見た目にもまだ線が細く映る泉谷だが、取材に対しては実に熱っぽく、自分の意見をしっかりとした言葉で伝える。調教にも自ら率先して騎乗。多くの馬にまたがり、トレセン内の信頼は厚さを増している。
ともに重賞へ挑むのは
タガノカイ。「初めて乗せてもらった時に、馬群の中で耳を絞るところがありました。切れるというよりもしぶとく脚を使うタイプでもあり、逃げてみたらうまく結果を出せました」。デビュー2戦目の未勝利戦(7着)で初コンビ。そこでつかんだ手応えが、のちの好走につながった。
2勝目を挙げた前走は、2カ月ぶりのタッグ。「だいぶ馬がしっかりしていました。厳しい展開でも逃げ切れたのは力をつけた証拠でしょう」。短期間ながらも、鞍下の安定感がグンと増していた。
馬の成長に負けてはいられない。自身も競馬漬けの日々を送り、レベルアップへの努力は惜しまない。「最近はゲートを大切に考えています。トップジョッキーほど、出遅れることが少ないですからね。最初の1Fまでをスムーズに運べれば、いい位置で脚をためられるので」。その戦法こそが、相棒の持ち味を引き出す最善の策と言えるだろう。
舞台は2勝目を挙げた前走と同じ中京芝2000メートル。既に腹は決まっている。「重賞で(斤量)3キロ減の恩恵もありませんが、この馬の競馬は決まっていますからね。
パワータイプで今の馬場は合っていると思うし、粘り強さを生かせれば」。強豪相手は承知の上。思い切った騎乗でチャンスをつかんでみせる。
提供:デイリースポーツ