かつては「東上最終便」などといわれたレースで、仕上がりが遅れた関西馬が賞金を加算してクラシックに挑むようなケースも多かった。
皐月賞、あるいはダービーへの優先出走権は与えられていないものの、クラシック本番との結びつきは意外なほど多く、
ハードバージや
テイエムオペラオー、
クロフネ、
キングカメハメハ、
ディープスカイ、
キズナに
アルアインなどが、このレースで賞金を加算してのちのGIレースにつなげている。
◎
シャフリヤールは
共同通信杯の3着馬。昨年秋、デビュー戦を勝ったあとじっくりと間隔を空けて挑んだ1戦だったが、当時、馬体重はマイナス2キロ。外枠を引き当ててしまったことに加え、半マイル通過が49秒6というスローペースの流れに十分な溜めを作れず、後方から追い込んだものの2着馬から頭差の3着だった。とはいえ、2着
ヴィクティファルスがス
プリングSに勝ったのだから、価値は高い。
〇
グレートマジシャンは
セントポーリア賞の優勝馬で2戦2勝。先行策から押し切った新馬戦は、追い出されてからややモタつくようなシーンもあったが49秒2~61秒7というスローペースを楽に先行していたアドバンテージもあって完勝。2戦目は痛恨の出遅れも、後方で折り合いに専念し、今度はジョッキーの
ゴーサインに鋭く反応。11秒6~11秒2~11秒1という流れを差し切った。まだ子供っぽさを残すが、高いポテンシャルを感じさせる内容だった。
▲
ルペルカーリアは昨年9月にデビュー。その初戦は幼さが抜けきらないような走りでうながされながら早めにポジションを上げていったが、最後までギアが上がらず4着。しかし、立て直した1月の未勝利戦は12キロ増の体で、ジョッキーが抑えるのに苦労するほどの追走で、フォームも大きくなっていた。未勝利戦を勝ったばかりだが、まだまだ奥がありそうで、今回のメンバーなら通用しそうだ。
△
プログノーシスのデビュー戦は、芝の中距離を求めてあえて経験馬相手の未勝利戦を選んだ。キャリアがない馬だけに道中もまれないような位置をとれたのも幸いしたのだろうが、それでも最後の直線で外に膨れながらも、格の違いを見せつけるような内容だった。ただ5月15日生まれだけに、完成度という点で少々割り引いた。