古牝馬限定による重賞路線は、6月の
ヒダカソウC、今回の
ノースクイーンCと続き、8月の
ブリーダーズGCでフィナーレを迎えるという短期決戦だ。混合重賞には強力牡馬たちが厚い壁を形成しているということもあり、この路線が激戦となるのは自然の成り行きである。
特に今年は頭数も揃い、例年に増して大混戦の様相を呈している。ただでさえ展開がゴチャつきやすい内回り戦で、タフな馬場状態の下にハイペースの消耗戦と化した
ヒダカソウCは、その象徴的なレースであった。この着順は絶対的でないものとして考えた方がいい。
ヒダカソウCでも本命とした
ネーロルチェンテを再度、中心視する。その前走では1番人気を裏切る結果にもなってしまったが、先行押し切りを図る正攻法で挑んだレース内容は、内回りにおける勝ちパターンであり、間違った競馬をしたわけではない。
一列後ろに構えていた
ルナクレア、
クオリティスタートに捉まり、追走に苦しんでいた後方集団の馬にも交わされてしまったのは、上記のように諸条件が重なって生まれた壊滅的な展開が要因である。今回の外回り1800mは、道中で息が入る流れになるのが普通で、この馬自身にとっても3勝を挙げている相性のいい舞台である。巻き返しに期待したい。
惜しくも
ヒダカソウC3連覇を逃した
クオリティスタートだが、同じような位置取りだった
ルナクレアとの差は、向正面で先んじて動いた分の差である。これは勝負どころのスペースを確保するには必要な措置で、厳しい流れでなければ勝負の決め手になっていたかもしれない。
ヒダカソウC上位馬ではこの馬の地力を評価するに留める。
その次には別路線組を組み入れたい。
サイファリスは重賞初挑戦だが、自身の連対歴のほぼすべてがこの1800m戦であり、格負けもしない。凱旋という形で遠征してくる
コーラルツッキーは、南関東で身につけてきた中距離適性に注目である。そして抑えの最後に
ルナクレアという順とした。
(文:競馬ブック・板垣祐介)