2歳牝馬重賞の3戦目となるこのフ
ローラルCは、
エーデルワイス賞へとまっすぐ続く道にあった1戦目のフルールC、2戦目のリリーCとは違い、やや脇道に逸れたところにある重賞である。というのも、ワンターンの短距離戦であった前2つとはやや質の異なる、コーナー4つの内回り1600mという条件で行われるからだ。
もちろん、ここを使って中2週となる
エーデルワイス賞へ向かうことも可能だが、距離適性の将来性を占う意味合いも色濃くある。少しの寄り道も時として、思わぬ新たな発見につながるものだ。
王道路線を歩んできた
エイシンヌプリにとっては重賞初制覇の絶好機である。超ハイレベルの
栄冠賞にも出走し、その後は牝馬重賞2戦を含めて常に上位を争ってきた。前走のリリーCでは多頭数の内枠で難しい立ち回りを要求されたが、砂を被り続けながらも踏ん張ったのは経験値が身になっている証拠だろう。
これまでの内容からマイルはこなせるはずで、少頭数かつ大外枠の今回は、相手を見ながら競馬できる理想の条件。おそらく
エーデルワイス賞に向かうだろうが、その前にひと花咲かせておきたいところだ。
急成長を見せているのがリリーC3着の
ツーシャドーである。重賞は初挑戦だったが、オーバーペースの逃げで追い込み馬の勝利を誘発しながら、自身もしぶとい粘り腰を発揮し、連勝の勢いのまま好走してみせた。そのやや強引な運びが、距離延長で折り合い面に副作用をもたらす懸念はあるが、示したスピードの絶対値はタイトルに手が届くレベルである。
穴馬として魅力があるのは
グランツだ。ここ2戦は案外だが、楽勝したデビュー戦の内容から、まだ奥があるはず。今回と同舞台で行われたブロッサムCの勝ち馬を母に持つ血統背景と、揉まれず先行できるメンバー構成から、一変の可能性が見い出せる。
メンバー唯一この舞台で勝ち星のある
コスモポポラリタ、キャリアの浅さは課題もデビュー戦が好内容の
パッショニスタまで押さえておきたい。
(文:競馬ブック・板垣祐介)