JBC2歳優駿まであと約1ヶ月。この
サンライズカップはその最後の
ステップレースであり、かつ、本番と同舞台で行われる唯一の2歳重賞である。今年は
栄冠賞勝ち馬
モーニングショーに加え、ここ以前の
ステップ重賞を勝ってきた2頭(
シャルフジン・
リコーヴィクター)が参戦しており、現時点でのフルメンバーが揃っているといって過言ではなかろう。当然、今回の結果は
JBC2歳優駿を展望する上で重要な
ファクターとなる。
重賞ウィナー3頭を中心視すべきなのは無論であり、その中で順番を付けて予想を構築するのが無難である。ただ、既に実績を残しているその3頭がここで求めるのは、タイトルの上乗せもさることながら、本番を見据えたシミュレーションであろう。そこで、より貪欲に重賞勝利を狙ってくる馬にあえて本命を打つことにした。
ナッジは他の多くのメンバーと違い、最初から重賞路線に目を向けてきたわけではない。出走馬中2番目に多い7戦というキャリアを積んでいるが、前走が初めてのオープンクラス挑戦だった。それでいてその前走は3馬身差の完勝。しかも、走破タイムは、同じく不良馬場で行われたサッポロクラシックCの勝ち時計と0秒5差という優秀なものである。まさに叩き上げの形で鍛えられ、重賞級にまで力が備わってきたということだ。追って味のあるレースぶりから1800mも問題はない。新たなスター候補として抜擢する。
中距離でも非凡なスピードが光る
シャルフジン、2歳馬離れした競馬センスを誇る
リコーヴィクター、自分でレースを作れる利点がある
モーニングショー、この実績馬3頭は甲乙つけがたい。この順で対抗から印を並べたが、どの馬の武器がより強く発揮されるかは展開ひとつ、紙一重だ。また、重賞での敗戦を糧に技を磨いてきた
マックスレジェンド、
ファーガスがどれだけ巻き返せるかにも注目しておきたい。いずれにせよ、ここで上位を争った馬たちの中から
JBC2歳優駿勝ち馬が出る可能性は高い。
(文:競馬ブック・板垣祐介)