2年連続で勝利している
フィエールマンは不在…。新たなる頂上ステイヤー決定戦となりそうな『
天皇賞・春』(GI・阪神・芝3200m)。
ということもあって、今年はまさに群雄割拠といえる出走メンバー。人気も分散傾向になれば思わぬ配当も飛び出す可能性あり、となるだろう。
1番人気になりそうなのは、前走重馬場の『
阪神大賞典』(GII・阪神・芝3000m)を2着に5馬身差をつけて勝ちきった
ディープボンド(4歳牡・和田竜)。今までの伏兵扱いから一気に主役に躍り出た感じだ。今週末も若干の雨予報があるだけに、馬場が重くなれば再好走の可能性は上昇するはずである。
2番人気になりそうなのは、前走『
阪神大賞典』で単勝1倍台に支持されながら、7着に惨敗してしまった
アリストテレス(4歳牡・ルメール)。2走前の不良馬場『
AJCC』で勝ちきっているので、重馬場得意と思われたところでの敗戦。たまたまの取りこぼしなのか、それともほかに敗因があるのか。今回はその試金石となるだろう。
長距離となれば一昨年の『
菊花賞』馬
ワールドプレミア(5歳牡・福永)。前走『
日経賞』(GII・中山芝2500m)では3着だが、一度叩いての前進はある。
さらに強い牝馬2頭。前走『
日経賞』1着
ウインマリリン(4歳牝・横山武)、同2着
カレンブーケドール(5歳牝・戸崎圭)。このレースでは結果出ていない牝馬勢だが、時流としては一発の頃なのかも。
◆やはりポイントになるのは傾向読めない阪神の芝3200m?
ポイントは例年の京都開催とは違う「阪神・芝3200m」というコースになるだろう。
3-4コーナーの高低差4mを2回経験する京都外回りコースと違い、わりと平坦な道中からゴール付近で2mの急坂を経験する阪神コース。特に今回の芝3200m戦は、一周目が外回りで、二週目が内回りという変則となる。やはり阪神コースでの経験と実績が有利に出ると考えたほうがいいのかも…。
『
天皇賞・春』で、例年成績はいいのは前走『
阪神大賞典』組だ。
近2年は、馬券圏内上位3頭には入っていないが、過去10年のうち10頭が馬券圏内に絡んでいる。今年は7頭が出走。特に1着
ディープボンドは抜きに考えられないし、2着
ユーキャンスマイル(藤岡佑)、3着
ナムラドノヴァン(内田博)も、圏内食い込みの紛れがないとは言い切れない。
あとは過去10年で7頭上位圏内になっている前走『
日経賞』組。昨年は久々に2・3着に食い込んだのが前走『
日経賞』組だったので注意はしたい。
◆タイム指数からの例年の狙い目は?
『
天皇賞・春』のnetkeibaタイム指数での傾向はわりとシンプルである。
過去5走平均値順というのはあまり機能しないかわりに「シンプルに前走値が機能している」というのが近年の傾向である。
昨年は、2着に11番人気の
スティッフェリオが絡んで馬単は70倍超、3連単も5万円台だったが、「前走値」高い3頭をそのまま買っていればズバリ3連複が獲れていたというオチ。
スティッフェリオは前走値3位だったのだ。ただ基準としては「前走値108以上」は最低限欲しい。
今年のタイム指数で「前走値順」はどうかというと…
1位
ディープボンド 115
2位
ワールドプレミア 114
3位
カレンブーケドール 114
4位
ウインマリリン 114
(同値でも順位に差があるのは、平均値を考慮に入れてのもの)
となっている。やはり前走が同じ阪神だった
ディープボンドの優位はかなり濃厚。さらに同値で並ぶ3頭から牡馬の
ワールドプレミアも軸候補となる。さらに今回のポイントは○▲のチョイスとなりそうだ。まだ見限れない
アリストテレスも上位判断したい。
あとは唯一、前走で阪神芝3200mというコースを経験している
ディアスティマは、かなり気になっている。前走が1着でも3勝クラスだった馬が馬券圏内になるというのは前例ないが、前走の同距離値105というのはこのメンバーでは2位なのだ。スンナリ逃げられれば前走の再現あり。一発タイプとして気にしておきたい。
(netkeiba・大石川大二郎)