今週から札幌開催がスタート。6月に札幌開催が行われるのは、函館競馬場の全面改築工事の影響があった2009年以来となる。新馬戦も2鞍が組まれているが、気になるのは札幌競馬場へ入厩すると、函館のようにウッドチップ馬場での調教ができないということ。
だからというわけではないだろうが、
グットディール(栗東・
須貝尚介厩舎)のように早い時期にトレセンである程度の調教を積む、というのが今年のトレンドになりそう。特にこの馬の場合、5月6日の坂路で4F49.9秒と破格の時計をマーク。新種牡馬
ビッグアーサーの産駒ということもあり、実戦でどんな走りを見せてくれるか。注目を集めることは間違いない。
【6月12日(土) 中京芝1600m】
◆
ベルクレスタ(牝、父
ドゥラメンテ、
母ベルアリュールII、栗東・
須貝尚介厩舎)
半姉に同厩舎で管理され、2017年ヴィクトリアMを制した
アドマイヤリード(
父ステイゴールド)がいる血統。ちなみに姉も7月開催の中京芝1600mでデビューでして、新馬勝ちを決めている。
ノーザンFしがらきから4月に入厩して、ゲート試験合格後に一旦放牧。5月11日に再入厩して、そこから順調に追い切りを消化している。2週前追い切りとなる坂路では、4F53.9秒、2F25.2秒をマークして、3歳の1勝クラスに先着する動き。1週前追い切りではCWで新馬と併せて、こちらも先着。坂路でもトラックでも確実な動きを見せており、POG取材時に
須貝尚介調教師が口にしていた「欠点がない」ということを走りで示している。鞍上は追い切りにも騎乗している
松山弘平騎手が予定されている。
【6月13日(日) 中京芝1200m】
◆ダグザ(牡、父
Shalaa、
母タリサ、栗東・安田隆行厩舎)
父
Shalaaは芝1200mのG1で2勝を挙げており、日本での産駒は阪神芝1200mの未勝利を勝った
ジュストコルや中京芝1200mの新馬戦を勝った
ヒトヨギリなど、やはりス
プリントで結果を出している。
本馬に関しても「ゲートが速くて、スピードがありそう。馬っぷりがいいですね」と安田隆行調教師。ノーザンFしがらきから4月14日に入厩して、ゲート試験合格後に一旦放牧のパターンで、再入厩後も順調。追い切りは坂路が中心になっているが、6月3日は4F52.5秒を馬なりでマーク。時計でもスピードがあるところはしっかりと見せている。なお、鞍上は
松山弘平騎手が予定されている。
◆
インプロバイザー(牡、
父ダイワメジャー、
母リトルゲルダ、栗東・
音無秀孝厩舎)
2020年セレクトセール1歳にて、3300万円で落札された
ダイワメジャー産駒。半兄には阪神芝1400mで新馬勝ちした
グレイイングリーン(
父ディープインパクト)がおり、母は2014年サ
マースプリントシリーズのチャンピオンに輝いている。
4月23日にチャンピオンヒルズから栗東へ入厩して、ゲート試験合格後も在厩調整。6月2日には先週デビューした新馬と併せて、半馬身ほど先着。4F52.9秒、2F25.4秒、1F12.6秒と全体時計が速い上、終いもしっかりした動きを見せている。「いかにも短い距離が合いそうな体型。追い切りの動きもいい」と
音無秀孝調教師。鞍上は
松若風馬騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)