「
安田記念・G1」(6日、東京)
8番人気の
ダノンキングリーが悲願のG1初制覇を決めた。
天皇賞・秋12着からの巻き返しで、前走最下位からのJRA・G1勝ちは84年の
グレード制導入以降、JRA所属馬としては初めてとなる。単勝1・5倍と圧倒的な1番人気の
グランアレグリアは頭差の2着。3着は4番人気の
シュネルマイスター、2番人気の
インディチャンプは4着だった。
見事な復活劇だった。
ダノンキングリーは五分のスタートを切ると、道中は中団で脚をためる。直線で外に持ち出し一気にスパートをかけると、内から馬群を割っていったんは先頭に立った
グランアレグリアを頭差かわし、7回目のG1挑戦で初制覇を成し遂げた。
初コンビで見事にエスコートした川田は、「3、4コーナーでいい形で動けて、これなら伸びてくれると思ってました。いい動きをしながら内側の馬をつかまえたところで、あとは何とかしのいでくれと、最後は思っていました」と激戦を振り返った。過去に何度か騎乗できるチャンスはあったようで、「いろんな方面からチェックをしていましたし、初めて乗ったけど、初めてじゃない感じです」とイメージはつかんでいた。
鞍上にとって(株)ダ
ノックスの所有馬では17年朝日杯FSの
ダノンプレミアム、2020年
ホープフルSの
ダノンザキッド、21年の
高松宮記念の
ダノンスマッシュに続くG1・4勝目。「オーナーに届けられてうれしかったです」と満面の笑みを浮かべた。
20年の
天皇賞・秋で最下位の12着大敗から7カ月の休養明け。ぶっつけとなったが、萩原師が「馬が出走できるレベルまで至らず、復帰に時間を要した」と説明するように、中間は放牧で立て直しを繰り返すなど、薄氷を踏む思いで仕上げてきた。陣営の努力が実り、「どこかで勝たせなきゃいけないと思っていた。やっと獲ることができてホッとしています。馬の力があったからこそ勝てたし、何よりジョッキーの好騎乗のおかげ」とキングリーと川田に感謝した。
続けて、「これをきっかけにまた上位争いをできれば、と思います」と今後の活躍を期待。大舞台で再び脚光を浴びる。
提供:デイリースポーツ