キタサンブラック(初年度種付け頭数=130頭)、
イスラボニータ(170頭)らと並んで“新種牡馬”の最有力候補と目されるのが
ドレフォン。内国産のエースを大きく上回る種付け頭数=207頭が期待値の高さをストレートに表している。
とはいえ、本場・米国のダートで結果を残してきた場合、日本の軽い芝の克服がカギに。
ドレフォンも現役時はG1 3勝を含めて全6勝をダート6〜7ハロンでマークした馬だが…。生産界は“砂短距離専用”とは見ていない。
「父は芝の長めの距離が主戦場だった
ジオポンティで、産駒は馬体の
バランスが良く、筋肉が柔らかい。気性面のコントロールも利いているので一介の短距離快速馬ということはなさそうです。
ロードカナロア産駒を見た時と同じような印象を受けましたね」とは某大手クラブ関係者だ。
実際、先週土曜の東京では
ハイアムズビーチが芝7ハロンの舞台で見事に初勝利を父へと届けた。輸入種牡馬が
JRAファーストシーズンサイアーでトップに立てば、2014年の
ハービンジャー以来のこと。
ジャンル不問の活躍となれば“第2の
サンデーサイレンス”の座も見えてくるか。
一方、ディ
スクリートキャットは現3歳が本邦初年度産駒。現役時の実績(
シガーマイルH、UAEダービー)は
ドレフォンにも負けていないが…。新種牡馬としては2歳戦が芝4勝、ダート3勝の計7勝でランキングは8位に甘んじた。しかし、年明けからは砂で14勝と勝ち星を量産(芝4勝)。やはりダート6〜9ハロンでデビューから無傷の6連勝を飾った父の資質がストレートに反映された産駒が多いと考えられる。
ユニコーンS(20日=東京ダート1600メートル)にスタンバイしている
クリーンスレイトは未勝利→1勝クラスを連勝。父の名声回復の一翼を担っている一頭だ。
「ダート向きと分かってはいても、やはり“新馬戦くらいは…”ということで芝(中山8ハロン10着)から下ろすことは多いんですよ。追い切りの時は坂路だったので、あまり感じなかったようですが、レース後にミルコ(デムーロ)が“硬い”とこぼしていました」と、門外漢で初陣Vを逃した舞台裏を池内助手が明かしてくれた。
対して1勝クラスを制した前走でマークした東京ダート8ハロン=1分36秒4(良)は同日の古馬2勝クラス・
立川特別を0秒3上回る好記録だ。
「未勝利戦の内容から期待はしていましたが、あそこまでの勝ちっぷりとは…。4角14番手から直線だけでの差し切りは能力がないとできない芸当。しかも、まだ伸びシロが見込める状態でしたからね。今回は4か月ぶりを叩いた上積みが期待できますし、前走でコースを経験した強みもあります。もう少し前めで流れに乗れるようなら重賞のここでも」(池内助手)
輸入された外国産馬としては
エアハリファがすでに15年
根岸Sを制しているが、「内国産の2世」として
クリーンスレイトの初タイトル奪取の可能性は決して低くはなさそうだ。
(美浦の一撃野郎・山河浩)
東京スポーツ