夏場、小回り、ハンデ戦。波乱を想起させる条件が揃ったサ
マースプリントシリーズ第2戦のGIII・
CBC賞(4日=小倉芝1200メートル)は、欲張るだけ欲張りたいレースだ。栗東得ダネ班が目を付けたのはまさに強欲の超穴馬。常識にとらわれていては高配当はその手にできない――。
「福島の障害に行こうと考えていましたが、頭数とハンデを見てこちらへ。条件は全然、悪くないと思います」
色気たっぷりにこう話すのは
プリカジュールを管理する寺島調教師だ。ここ2走、障害(5→8着)を使っての条件替わり。常識的に考えれば、買い材料は皆無にも見えるのだが…。
「準オープンの馬の中でもハンデ(49キロ)は一番軽い。舞台は平坦小回りで、開幕週の馬場。芝でもある程度、前に行ける脚はありますからね。いつもの中京ではなく、小倉でやれるのは、この馬にとって大歓迎です」
相手、条件、適性を熟慮したうえでの参戦。もちろん、トレーナーは梅雨時の馬場もシミュレーションに入れている。
好走イメージを重ねるのは、4走前の中山芝1200メートル戦(
サンライズS=0秒6差8着)。逃げて残り150メートルまでは先頭と見せ場十分の競馬ができたのは、良発表でも力のいる馬場の恩恵があったからだという。
「良馬場でも走れる馬ですが、雨が降って時計がかかってくれたほうがよりいいタイプ。あの時のような馬場で同じような競馬ができれば、楽しめると思うんですよ」
例年より使い込まれている小倉の馬場に、下り坂の天気予報も加味すれば…。一発の期待は膨らむばかりだ。
さらに寺島調教師はこの中間の状態面の上積みも強調する。
「障害練習の効果で走りの
バランスが良くなってきたんです。前走は楽なペースで行った割に踏ん張れなかったのは案外でしたが、まだトモがフラフラしているところがあった。そのあたりも今回は良化しています」
障害ダ3110メートル→芝1200メートル。一見、まったく関連のないように見えるローテーションの中に激走の布石が…。
一筋縄ではいかない小回りのハンデ戦。特大ホームランを狙うなら、異色ローテの
プリカジュールで決まりだ。
(栗東得ダネ班)
東京スポーツ