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ライバーバードは鮮やかだったよね。しかし、開幕週の馬場なのに、内があんなにポッカリと空くもんかね(笑い)。我ながら驚いたよ」と火曜の美浦トレセンで冗舌に先週の回顧を始めたのは手塚調教師。日曜福島10Rの
さくらんぼ特別でチョイ足りないキャラだった
ライバーバードが惜敗続きにピリオドを打ったのだ。さすがは若かりしころ、福島で頭角を現した石橋である。もっとも、肝心な?11R
ラジオNIKKEI賞では…。
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アサマノイタズラ(12着)はアンラッキーというか、うまく立ち回れなかったなあ。逆に(丸山)元気の
ヴァイスメテオールは詰まっても不思議のない馬混みから見事に抜け出してきたよね。これにも驚いた。まあ、メインは石橋が乗っていなかったし、ジョッキーの問題もあるんだろうなあ」と最後はグチになりかけたが、それに関しては馬券野郎も思うところはある。
というのも、GI開催場がそれこそ顕著だが、東西の一流ジョッキーが集う開催では(馬場が悪化しなければ)往々にしてタイトな追い合戦になるもの。この夏、北海道開催にその流れが引き継がれた格好で、福島開催はリーディング上位のジョッキーはさほど多くない。それゆえ“内がポッカリ”という現象も多く見られたのだろう。本来、小回りコースでは狙いにくい追い込みタイプも勝ち負けしてしまうのだから馬券野郎も驚いた。たっぷり散財した(苦笑)。蛇足だが、前出の勝ち馬2頭はともに内枠。要するに先行馬のみならず、追い込み馬も内枠が断然に有利な状況なのである。
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七夕賞(11日=福島芝2000メートル)の
ワーケアもひそかに期待しているんだよ。ある程度は後ろから行く馬だから枠は気にしていないけど、立ち回り上手な田辺が乗るのは頼もしいよね。休み明けとはいえ、昨年のダービー(8着)のころと比べれば、はるかに気持ちは前向きになっているし、今の福島の馬場は絶対に合うはずだから」と手塚調教師は一発を狙っている。ルメールが手放した形だけに人気下落は確定的。馬券野郎の
テンションも上がってくるというものだ。
ちなみに「田辺自身が追い切りを志願してきたんだよ。これは珍しい(笑い)。まあ、動きはいつもいつも地味な馬。あまり褒めてはくれないだろうけど、それは心配していない。実戦で走ってくれればいいんだから」と最終追い切りの併せ遅れはある意味、師の予告通りの内容。何も気にする必要はあるまい。
思い起こせば、GIの
ホープフルSでは
コントレイルの3着に奮闘した世代屈指の素質馬。今週は石橋と並ぶもう一人の“福島の雄”田辺が手塚厩舎の勝ち星に貢献してくれそうだ。
(美浦の散財野郎・虎石晃)
東京スポーツ