「プロキオンS・G3」(11日、小倉)
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ファーレとともに鳴り響いた雷鳴が、勝利への号砲となった。9番人気の
メイショウカズサが、好位から鮮やかに抜け出して重賞初制覇。向正面で走った稲光を“合図”に、3コーナーから進出を開始。鞍上のステッキ連打に応え、残り100メートル過ぎに先頭へ。脚抜きのいい重馬場を味方に末脚を伸ばし、JRAレコードタイとなる1分40秒9の好時計で、歓喜のゴールに飛び込んだ。
3連単194万4140円という波乱を象徴するような豪雨に迎えられた松山は「ようやくこの馬らしい強い競馬を見せることができて良かった。小倉は相性もいいし、馬の力を信じて乗りました」と声を弾ませた。これでコンビを組んで5戦4勝。集中力に課題のある相棒の気持ちを切らさないよう巧みに導き、前日に記録されたコースレコードを0秒5更新した。
安達師は「逃げなくても競馬ができたし、ジョッキーがうまく乗ってくれた。速い時計で走って、能力のあるところを見せてくれたね」と、殊勲の人馬をたたえた。先月末の
帝王賞(
テーオーケインズ)に続くダート重賞Vを果たした鞍上も、「強い馬がいる中で強い競馬。レコードでしたし、無事に行ってくれたら楽しみ」と今後の飛躍を期待する。成長著しい4歳馬は、勢いに乗ってさらなる大舞台を目指す。
提供:デイリースポーツ