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【勝負の分かれ目 函館記念】8戦連続騎乗の横山和騎手が強さを引き出し、トーセンスーリヤが圧勝

  • 2021年07月18日(日) 18時35分
 ゲートが開くと、まず内からワールドウインズがハナに立った。横山和生トーセンスーリヤも速いスタートを切り、外からワールドウインズに並びかけて行く。

 これらをレッドジェニアルマイネルファンロンが一気にかわして1コーナーへと入って行った。

「特にこれといったレースプランは決めていませんでした。スタートを上手に切って、周りがサーッと流れていったので、気分よく走らせるようにしました」と横山。

 1番人気に支持されたカフェファラオもまずまずのスタートを切り、中団の内を進んでいる。

 レッドジェニアルが先頭で、掛かり気味のマイネルファンロンが2番手で1、2コーナーを回り、向正面へ。

 トーセンスーリヤは、これら2頭から3馬身ほど離れた3番手を進んでいる。

「イメージどおりでした。中間の調教で具合のよさが伝わってきていたので、あとは自分が焦らないようにと考えていました」

 横山がそう話したように、トーセンスーリヤは引っ張り切れないほどの手応えだったが、無理に前を追いかけず、前の2頭との差は5馬身ほどにひろがっていた。

 1000m通過は58秒5という速い流れになった。

 トーセンスーリヤから4、5馬身後ろの中団につけたカフェファラオは、軽く気合をつけながらの追走になっている。外には昨年の覇者アドマイヤジャスタがいるいい位置ではあるが、やや苦しいのか。

 3コーナーに入ると、トーセンスーリヤが少しずつ前との差を詰める。4コーナーを回りながら、ラスト400m地点で前の2頭を並ぶ間もなくかわし、馬場の傷んだ内3頭分ほどをあけて直線へ。

 ラスト200m地点で、トーセンスーリヤは2馬身ほど抜け出しており、そこからさらに加速。横山の右ステッキを受けて末脚を伸ばして独走態勢に入り、2着を3馬身突き放してゴールした。

「かわされることはないだろうなと思いながら乗っていました。またこの子と一緒に勝てて嬉しいです」

 そう話した横山は、8戦連続12戦目のレース騎乗となったこの馬で、昨年の新潟大賞典以来の重賞制覇をなし遂げた。

 2着以下はハナ、クビ、ハナ、クビ……という大激戦のなか、力をフルに引き出し、強さを見せつけた。

(文:島田明宏)

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