池上厩舎は今夏の北海道シリーズの新馬戦に2頭が出走して2→1着と連対率
パーフェクトの好成績。とりわけ先月31日の函館芝1200メートルを制した
ソリッドグロウ(牝)は2着に7馬身差をつける圧勝劇だった。そんな好調厩舎が送り込む“3本目の矢”が
ベストスマイル(牝=父
ロードカナロア、
母スマイルミーティア)。土曜(21日)札幌芝1500メートル(牝)に鞍上ルメールで出走予定だ。
現役時代に
JRA2勝の
母スマイルミーティアは、トレーナーの父でもある池上昌弘元調教師の管理馬で、いわば厩舎ゆかりの血統。その半兄に
フルーキー(チャレンジC)、半妹には
ルガールカルム(
アネモネS)などがおり、
JRA登録されたきょうだい全8頭が勝ち星を挙げている。そんな優秀な牝系の母にとっての初子であり、オーナーもまた母と同じ保坂和孝氏となれば、その期待の程がうかがいしれよう。
血統背景だけでなく、調教内容からも素材の良さは十分に感じられる。美浦トレセンでゲート試験に合格するまでの調整でも複数の厩舎スタッフから高い評価が聞こえてきた逸材は、短期放牧を経て函館競馬場入りしてからは、あか抜けた好馬体から繰り出す小気味いいフットワークで、併せ馬では常に優勢の動きを見せている。
「(併せた馬を)かわすとフワッとして進んでいかなかったりと、まだ2歳馬らしい幼さはあるんですけどね。スッと動ける脚があるし、かからなくて乗りやすい。角馬場の出入り口とかで周りに馬がたくさんいたりすると、嫌気を出したりもするので、あとは精神面が強くなってくれればさらにいいですね。とにかく血統的な良さを感じてますし、いい素質があると思っています。まだ良化の余地はありますけど、楽しみな馬ですね」とは担当の石丸助手。若駒ならではの課題も当然ある中で、しっかりとコンタクトを取りながら、いい調整ができているようだ。
母系の優秀さだけでなく、父
ロードカナロアも現2歳世代がすでに6頭も新馬勝ちと好調の波に乗っている。厩舎&血統ともに勢い十分な
ベストスマイルがゴールを駆け抜けた後には、関係者の最高の笑顔が見られるに違いない。
(立川敬太)
東京スポーツ