先週は
北九州記念を51キロの
ヨカヨカが制し、
札幌記念は52キロの
ソダシが快勝。さかのぼれば
アイビスSDも
オールアットワンス(51キロ)が勝つなど、今夏の古馬重賞戦線における3歳牝馬の活躍は目覚ましい。やはり斤量面の恩恵を受けるこの時期の3歳牝馬の躍動は、近年の
凱旋門賞もそうであるように世界的な流れなのだろう。
そこでGIII
キーンランドC(29日=札幌芝1200メートル)に目を向けると、前出3頭と比較しても
ヨカヨカと並んで斤量差が実に最大7キロで出走できる
JRAの3歳牝馬がいるではないか。そう、
レイハリアだ。
同じ3歳牝馬の
メイケイエールが52キロなのに対して、
レイハリアは51キロ。これは前走で制した
葵Sが
グレードのない重賞=斤量増の対象にならない運もあってのもの。
ヨカヨカや
ソダシの爆走を目の当たりにした後だけに一層、おいしいムードが漂う。
その
葵Sで未勝利戦→
雪うさぎ賞に続く3連勝を決めた後は、短期放牧を挟んで函館競馬場に入厩。涼しい環境も手伝ってか、馬の雰囲気は申し分なく、18日の1週前追い切りでは不良馬場のウッドをものともせず、キレキレの動きで併せ先着。抜かりのない仕上がりを見せている。騎乗したのは
葵Sで人馬揃っての重賞初Vとなった
亀田温心。この中間も積極的にコンタクトを取ってきた。
「スタートが速いのが一番の持ち味で、すごく競馬がしやすいんです。前走にしてもハナを主張しようと思えば行き切れたくらいで、(後に
アイビスSDを勝った)
オールアットワンス(3着)よりも先に出ていましたからね。まあ、しまいが切れるタイプではないんですが、前走でも最後は負けたかと思ったところを諦めずに走りきってくれました。“ダート馬かな”って思うくらいのタイプ。それだけに洋芝は合いそうですし、札幌も(前開催よりは)時計がかかりだしたのは何よりです」
亀田は
レイハリアの特徴を的確にとらえ、重賞連勝に向けたシミュレーションを着々と進めつつある。
興味深いのは斤量面についての見解。自身、☆印=1キロ減(51勝以上、100勝以下の騎手が該当)の亀田は「このメンバーに入って51キロで走れるのは大きいですね。普段のレースでも減量のあるなしの違いはかなり大きく感じますから。とくに平坦で直線の短いコースは減量がより有利です。それに二の脚も違ってくるので、スッと行けるはず」と。まさに減量効果を肌身で知っている騎手ならではの声だ。
「(1週前)追い切りは不良馬場でもしっかり動けていましたし、気持ちも入っていて、とてもいい雰囲気。今年は去年の半分も北海道で勝てていないので(昨年は函館、札幌で計17勝→今年は札幌で4勝のみ)、何とか大きな舞台で結果を出したい」と気合十分に締めくくった。
今年の北海道シリーズは例年以上に減量騎手が多く参戦してしのぎを削る中、普段は1キロ減と“最少の恩恵”で戦う身。思うほどの結果を上げられないもどかしさものぞかせていたが…。減量効果の酸いも甘いも知る
亀田温心だからこそ“恵量の相棒”
レイハリアとともに、いい仕事をしてくれそうな予感がしてならない。
(函館とのお別れも間近野郎・立川敬太)
東京スポーツ