今週の日曜(26日)中京メインは、
菊花賞トライアル(3着まで優先出走権)GII
神戸新聞杯。
イレギュラー開催が続く今年は中京開催(芝2200メートル)となったが、果たして場が替わっても王道の決着が続くのか。「分析官」岡崎は“イエス”。「追跡者」松井は“ノー”。攻略者の
ジャッジは見事に分かれたが、軍配はどちらに?
松井(東スポ) 3日間開催の先週は、土、月が競馬場取材だったから、ネット投票ではなく現地で馬券を買うことにしたんだけど、久しぶりのマークシートに四苦八苦。違う馬やレースを塗ってしまってやり直しの連続。時間がかかって間に合わなかったりで、散々だったよ。
岡崎翔(大スポ) ちゃんと買えたとしても当たってなかったでしょう。むしろ全レース締め切りに間に合わなかったほうが良かったんじゃ…。
松井 うっ、痛いところを突くね。
岡崎 今週はちゃんと購入できるといいですね。幸い
神戸新聞杯は少頭数ですから、塗り間違いも少なくて済みそうですし。でも
菊花賞の最重要
トライアルにふさわしく、濃いメンバーが揃いました。
松井 で、ひねらず順当に
シャフリヤール◎ね。
岡崎 当然です。先輩と違って久々でもきっちり結果を出してくれますよ。ダービーは直線で進路を確保するまでに時間がかかったけど、先に抜け出した
皐月賞馬
エフフォーリアを内から急襲して世代屈指の決め手を見せつけましたからね。それでも春の段階では未完成の印象だっただけに、素質だけで勝ったイメージ。ひと夏を越して完成度が上がっていれば、もっと高いパフォーマンスを発揮できるはずです。
松井 確かに
皐月賞を勝った全兄
アルアインは古馬になってからも
大阪杯を制して成長を見せたから、まだパフォーマンスを上げてくる可能性はありそう。3歳馬同士なら崩れるイメージは湧かないよね。
岡崎 なのに対抗評価は失礼では。栗東に帰ってきてから
テンションが高めなのが少し気になりますが…。
松井 そこなんだよね。映像で見る限りだけど追い切りでも道中行きたがっているような感じで、直線も少し頭が高い走りに見えた。それにこの舞台適性という意味で、もっと魅力的な馬がいるからね。
岡崎 それが
ワンダフルタウンですか。
松井 そう。
ルーラーシップ産駒の牡馬は芝2200メートルの重賞で勝率15.8%、連対率31.6%で、
ディープインパクト産駒の勝率6.9%、連対率20.6%に比べると信頼度はかなり高い。
シャフリヤールに一矢報いることができるとすれば、ここしかないと思わない?
岡崎
京都2歳S、
青葉賞と重賞を2勝していて、世代間の序列自体も高いですからね。ダービーの大敗をどう見るかですが、休み明けでいきなり勝った
青葉賞の反動もあったか。
松井 3〜4角で隣の馬に接触し、スムーズさを欠くシーンもあったしね。
岡崎 それがなくても
シャフリヤールに勝ったとまでは言えないですけど、
青葉賞より約2秒も速くなって、時計勝負に対応しきれなかった部分もあるのかな。
松井 前週のレースを見る限り中京芝はそこまで高速決着にはなっていない。
シャフリヤールより前の位置から持続力を生かして、早めにスパートすれば、そのまま押し切りのシーンまであると思うよ。稽古の動きもかなり良さそうだしね。
岡崎 確かに攻め馬でバリバリ動いて、いきなり全開ムードです。5か月ぶりで
青葉賞を勝ったように久々でも力を出せるタイプ。ボクも▲に評価しましたが、いくらコース適性に分があってもダービーの差は決定的だと思いますよ。それよりもボクは
ステラヴェローチェを上に評価します。
松井 不良馬場の
サウジアラビアRCを完勝したイメージが残っていて、高速馬場のダービーではどうかと思って軽視したけど、しっかり対応して3着に来たのには驚いた。
岡崎
サウジアラビアRC以降は勝利こそありませんが、馬場を問わず常に好勝負を続けたのは総合力の高さ。ここも手堅く走るはずです。
松井 ただダービーは後方に位置して、積極的に勝ちに行く競馬に参加しなかった。その分消耗戦で脚が上がった馬をかわしての3着だから、過剰に評価するのは禁物だと思う。△にとどめて
キングストンボーイを上位の▲に。
青葉賞は
ワンダフルタウンとハナ差の大接戦で力量は遜色ないし、ダービーを回避して秋に備えて成長を促したのがいいほうに出れば、いきなり好勝負できて不思議ないと思う。
岡崎 2走前の
共同通信杯では勝った
エフフォーリアから0秒4差の4着。3着
シャフリヤールとはタイム差なしで、5着
ステラヴェローチェにはわずかながら先着していますしね。ボクも上位との力差はそれほどないと思います。あとは△
レッドジェネシスも押さえておきたいです。ダービーは高速決着でスピード不足を露呈しましたが、中京の2200メートルはある程度スタミナも求められるコースですし、ロングスパート型のこの馬には合いそう。攻め馬も十分過ぎるほど積んでおり、動きも着実に良化中で侮れません。
松井 好メンバーが揃った
オールカマーにも触れておこうか。
岡崎 ボクは素直に
レイパパレ◎。4か月ぶりで
大阪杯を制したように久々のほうがいいタイプですし、実力的にもここでは一枚抜けています。
松井
ウインマリリンは明らかに距離が長かった春の天皇賞で5着。崩れず走れたのは地力強化の証。中山コースで良馬場なら2戦2勝とコース適性も抜群だから、軸としての信頼度は高いと思うよ。
東京スポーツ